
魔法使いとして生まれた者しか魔法を使えない世界。それでも魔法使いに憧れる少女ココ(CV:本村玲奈)と、魔法使いキーフリー(CV:花江夏樹)の出会い、そして魔法の秘密を知ったココの運命が動き出す『とんがり帽子のアトリエ』(Netflix・ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほかにて配信)。第12話「ロモノーンの影」は、過酷な第2の試験でそれぞれの壁を乗り越える見習い魔法使いたちの姿と、突如として訪れる危機が描かれた。(以下、ネタバレを含みます)
■ロモノーンの崩壊と魔法使いの業
冒頭、蛇の背洞窟の成り立ちについて語るキーフリー。かつてこのエリアには大国が栄えていたが、選民思想が強まった結果、最後は内部から崩壊したのだという。この洞窟は、彼らが人をふるいにかけるために作ったもので、魔法使いや人間の業の深さの産物とも言える。そんな歴史を紐解きつつ、「人は本当に恐ろしい」とこぼすキーフリーだが、それでもココは魔法について「世界を彩るための力なんですよね!」と、希望を口にする。
魔法の歴史の暗部が語られ、それに恐怖を覚えるキーフリー。一方で、それでも希望を見失わないココの対比が印象的。SNS上でも「ロモノーンの崩壊話が面白かった…内側からの崩壊っていうのがリアル」「魔法使いって昔から特権意識が高いんだな」と、緻密に練られた歴史や世界観に感嘆する声が上がった。

■ユイニィの葛藤とリチェの導き
第2の試験「騎士の忠誠」に挑むアガット(CV:山村響)、リチェ(CV:月城日花)、ユイニィ(CV:石橋陽彩)。途中で崩壊した道をそれぞれの魔法で突破していくアガットとリチェだったが、ユイニィは誰かに見られている状況だと手が震えてしまい、魔法がうまく描けずにうずくまってしまう。自己嫌悪のあまり「ボクじゃない誰かになりたい」と絶望するユイニィに、リチェは「今一人になればいいじゃん」と声をかける。
自分に自信がなく、つい誰かが出した「正解」ばかりを探してしまうユイニィと、どんなときも自分らしい魔法を大切にするリチェ。対象的な二人だが、リチェの言葉がユイニィの意識を変革していく過程が素晴らしい。ユイニィは、リチェの言葉をきっかけに影借りの鏡外套(マント)の魔法陣を応用し、自身の姿を見えなくするという彼らしいやり方で困難を乗り越えていく。ネット上では「ユイニィ君が震えながらも魔法使えた瞬間温かくて泣いた…三人組の絆尊い」「リチェの声掛けでユイニィが乗り越えるの胸熱すぎる」と、ユイニィの壁を越えた瞬間に感動のコメントが寄せられた。

■つばあり帽の急襲! 試験会場が一転して戦場へ
途切れた道を突破し、さらに先へと進もうとする3人。しかしその瞬間、つばあり帽のササラン(CV.中尾隆聖)が突如として現れ、試験監督のアライラ(CV:三石琴乃)を拘束して姿を消してしまう。
見事な機転で試練を乗り越え、ほっとしたのも束の間、得体の知れない敵の急襲によって一気に緊張感が走る。試験の舞台が命がけの戦場へと変わり、今後の展開が全く予測できないカオスな状況へ。視聴者からも「ユイニィが突破した瞬間に襲撃きて試験してる場合じゃない!」「急襲で一気に緊張感MAX」「つばあり帽の登場で次話が不穏すぎる」と、急転直下のラストに息を呑む声が相次いだ。
試験を通じて見習い魔法使いたちの確かな成長を描きつつ、ラストで一気に突き落とす見事な構成だった第12話。SNSでも「作画の美しさと試験の緊張感・成長のバランスがいい回」と絶賛の声が上がっていた。
◆文/岡本大介


