西武の初優勝で幕を閉じたプロ野球セ・パ交流戦2026。またしてもパリーグの圧勝に終わったことでファンの間でも是非論が噴出。もちろん、辛口野球評論家の江本孟紀氏も交流戦への持論あり。「エモやんの月刊野球放談」、今月もキレキレです。(前後編の前編)
交流戦は意味がない
――前回の連載で交流戦の出来が今後のシーズンを占うとおっしゃってました。
江本孟紀(以下、同) あんまり影響なかったね(笑)。セはヤクルトがだいぶ負けたけど阪神も同じくらい負けた。パは西武、ソフトバンク、日ハムが揃って勝ったから順位がほとんど変わらず、交流戦をやった意味がほとんどなかったね。
(※ヤクルトは6勝11敗1分、阪神は6勝12敗。西武が14勝3敗1分、ソフトバンク・日本ハムが14勝4敗)
――日本ハム・新庄剛志監督も「やる意味あるかなってくらいパが強い」と話してました。
俺も前からずっと言ってた。交流戦って客の入らなかった昔のパリーグが人気球団の巨人と阪神とやりたかったのと、あとは普段は見られないエースと強打者の対決をシーズンで見せるってファンサービスの一環から始まったワケでしょ。
今はパリーグもたくさんお客さんが来るし、何よりエースと強打者の見応えのある対決なんてないじゃない。大エースもいないし、クリーンアップがちゃんと揃ってる球団がどれだけあると思う? 阪神だけなんだよ。
――日本で活躍するとすぐメジャーへ行ってしまう事情もありますしね……。
これは由々しき問題。そういうチーム状態にしちゃってる原因を何とかできないなら、交流戦なんてとっととやめればいい。交流戦のせいでオールスターや日本シリーズの価値も下がるしね。
――交流戦の結果を見ると、例年通りパリーグが圧倒し、西武の初優勝で幕を閉じました。
西武は投打にバランスがよかった。それにしてもパリーグは全体的にレベルが上がってきてる。5球団が(勝率)5割以上でしょ。
普通はAクラスとBクラスではっきり明暗が分かれるんだけど、今年のパリーグは単純にAとBを分けられないから、今後ますます注目だな。
交流戦から巨人が好調だが…
――なぜセとパでこんなにも実力差が出てしまうのでしょうか?
みんなが言うとおりDHのあるなしが大きい。そりゃ出場機会が単純に増えるし、野手を9人並べられて、それを相手に投げなきゃいけないんだから、投打のレベルも上がるよ。
その格差を埋めようとセリーグも来年からDH制を導入するわけだけど、パリーグが50年前にやり始めた(パリーグは1975年に導入)古い制度を今さらやって、新しいことしましたよって顔されてもね。
――セのDH制導入で実力は拮抗するようになる?
でもDHがないほうが優秀な監督が生まれやすいよ。7回以降の投手交代のタイミング、攻撃でのバント・盗塁・エンドラン采配って監督の資質が一番問われるからね。DHありの監督なんて作戦もクソもない。ダメなやつを代えればいいだけでしょ。
――そんなことは……(苦笑)。
だから1年ごとにセパでDHありなしを交互にやればいい。そうしたら監督のレベルを落とさずに10年くらいで実力が同じくらいになると思うよ。
――交流戦の話に戻しますと、巨人が10勝6敗2分とセで唯一の勝ち越し。阿部慎之助前監督の電撃辞任の影響はないものでしょうか?
この前(6月23日)の広島戦をマツダスタジアムまで見に行ってG担(巨人番記者)に話を聞いたら「選手たちはみんな何事もなかったようにやってますよ」ってことだった。
これはチーム内に「阿部野球をやってやろう」って空気はなかったって証明かな。阿部が選手をそこまで引きつけられてなかったのかもしれない。
でも、今はいいけど負けが込んだらキツイよ。橋上(秀樹監督代行)はあくまで仮の指揮官で、来年いるかどうかもわからない。橋上自身どうしたって他人事になるし、選手も結果を残してもどうせ来年には監督が代わる。監督代行のチームってモチベーションを保つのが難しいんだよ。

