四人で呼んでいた、あの呼び方
そのあだ名は、旅行のとき以来みんなで使っていたものです。俺も一緒になって呼んでいました。だんだんと、ほかの二人が同じ呼び方で彼女を呼ぶたび、胸の奥がざらつくようになっていきました。仲間の呼び方なのだから、おかしな話だとはわかっています。それでも、自分の感じている気持ちは、もう仲間の枠には収まりませんでした。
自分の中にだけ、置いておきたかった
そんなとき、ふと思い立って俺はあだ名を消しました。みんなで共有する場所から外してしまえば、自分だけが独占できると思ってしまったのです。本人に確かめれば早いのに、なぜか言い出せませんでした。好きだと気づかれたくなかったのです。直したあとも、わざわざ報告するのも変だと、そのままにしていました。
