ナショナル・リーグのリーグ優勝決定シリーズは世界一連覇を目指すドジャースと、1982年以来のワールドシリーズ進出を狙うブルワーズとの対戦となった。総年俸3億2000万ドルを超えるドジャースに対し、ブルワーズは1億1150万ドル程度と3倍近くもの差がある。チームカラーも野球のスタイルも好対照の両軍の対決のポイントを探っていこう。
▼ブルワーズ「マシンガン打線」vsドジャース「高出力先発陣」
今季、ドジャースに次いでリーグ2位の806得点を挙げたブルワーズ打線の特徴はコンタクト能力と選球眼だ。長打力こそ平凡だが、空振り/スウィング率22.5%はリーグベスト、打率.258は2位、そしてボール球スウィング率25.5%はMLB1位。とにかく粘り強く、嫌らしい打撃で投手を疲弊させ、しっかりバットにボールを当ててヒットを稼ぐ。この点は、豪快さと脆さが同居していたフィリーズとはまさに対照的だ。
対するドジャースの先発投手陣は、圧倒的な「出力の高さ」が持ち味。ブレイク・スネル、山本由伸、タイラー・グラスナウ、そして大谷翔平の先発4人の地区シリーズでの4シームの平均球速は96.7マイルに達している。
この「高出力先発陣」をブルワーズ打線が攻略できるかどうかが、まずはシリーズの注目ポイントとなるだろう。上述したように、レギュラーシーズンではリーグトップの打率を記録したブルワーズ打線だが、対97マイル以上の速球系(カッター、シンカーも含む)への打率は.237で9位にまで落ちる。ドジャース先発陣の「パワー」にどこまで対抗できるか注目される。
▼いよいよブルワーズの機動力が全開?
コンタクト&選球眼に匹敵するブルワーズ打線の武器が機動力だ。164盗塁はリーグトップ。10盗塁以上の選手が実に7人と、どこからでも足で攻めてくるのも大きな特徴と言える。
ただ、カブスとの地区シリーズでは5試合でわずか2盗塁。お家芸の機動力野球は見られなかった。もっとも、これは対戦相手カブスがランニング・ゲームの阻止が得意(80許盗塁はメッツと並んでリーグ2番目の少なさ)だったことも作用している。ドジャースは逆に盗塁阻止能力はあまり高くはないため、リーグ優勝決定シリーズでは一転して積極的に仕掛けてくる可能性は十分あるだろう。
盗塁だけではない。単打で一塁から三塁を陥れるなどのベースランニングでどれだけ得点を増したかを示す指標でも、MLBダントツの14を記録するなど、とにかく走塁全体への意識が高い。ここで不安要素となるのがテオスカー・ヘルナンデスだ。これまでも守備のミスが目立っており、ブルワーズがこの隙を突かないはずがない。
▼地区シリーズ絶不調の大谷は復調できるか
レッズとのワイルドカード・シリーズでは2本塁打を放った大谷だが、フィリーズとの地区シリーズでは20打数で単打1本、9三振と完全に沈黙し、デーブ・ロバーツ監督も「あのパフォーマンスではワールドシリーズに勝てない」と苦言を呈した。
しかし、フィリーズの大谷対策は他チームが真似できるようなものではないのも事実だ。クリストファー・サンチェス、ヘスス・ルザード、レンジャー・スアレス、マット・ストラームなど実力十分の左腕を中心にぶつけ、20打席中16打席が左投手との対戦。そして、残る4打席のうち3打席は球界屈指のクローザー、ヨアン・デュランという警戒ぶりだった。実際、「Shadow」と呼ばれるゾーンギリギリへの投球が53.7%で、これはチームで最も高い数字だった。
ではブルワーズはと言うと、先発左腕はベテラン技巧派のホゼ・キンターナのみで、サンチェスやルザード、スアレスと比べるとかなり与しやすい(実際、大谷は昨年のリーグ優勝決定シリーズでキンターナから本塁打を放っている)。ブルペン左腕のジャレッド・ケイニグには通算4打席で3三振を喫しているとはいえ、今季ブルワーズ戦6試合で3本塁打を放つなど、チーム全体としては嫌な印象は持っていないはずだ。
構成●SLUGGER編集部
【動画】佐々木朗希に劣らぬ剛腕。新人ジェイコブ・ミジオロウスキーが101マイル!
【関連記事】マリナーズ投手陣は絶好調ゲレーロJr.をいかに食い止めるか。故障者の復帰もカギに?【ア・リーグ優勝決定シリーズ展望】<SLUGGER>
【関連記事】ドジャースの対ブルワーズ“6戦全敗”はシリーズに関係ない!? 米記者が見つけた根拠あるデータ

