遠ざけていたのは、俺のほうだった
ここしばらく、彼女へのメッセージが短い返事ばかりになっていたのは、来年に向けて二人で住む部屋を探しはじめていたからでした。条件を調べては予算と見くらべ、いい返事ができるまで黙っていようと決めていたのです。予定を断るたびに気まずさは増していくのに、うまく説明できないまま日が過ぎました。このままだと誤解させてしまう。そう思って、俺はまとまった文章を打ちはじめました。
二度書いてしまった理由
謝りの言葉のあとに、「嫌いになったわけじゃない」と打ちました。打った瞬間、これは別れ際に使う台詞そのものだと気づいて、消しました。書き直しても、それ以上にやわらかい言い方が見つからない。迷っているうちに送信していて、しかも文末にもう一度、同じ一言が残ったままでした。彼女を安心させたくて選んだはずの言葉が、いちばん距離を生む形で届いてしまったのです。
