LCRのヨハン・ザルコはMotoGPで今季からチームメイトとなったソムキアット・チャントラが、MotoGPクラスへのステップアップの準備ができていなかったと指摘した。
昨年限りで中上貴晶がMotoGPを引退したことで、LCRはその後任としてチャントラを起用。タイ人として初のMotoGPライダーが誕生した。
しかし、チャントラはMotoGPクラスで大苦戦。最後尾がほぼ定位置の状態で、18戦を終えた段階でもわずか6ポイントの獲得に留まっている。
その結果、チャントラは2025年シーズン限りでシートを喪失。2026年はWSBKにホンダから参戦することになった。LCRのメインスポンサーである出光興産がアジア人ライダーを望んでいるにもかかわらずだ。
そんなチャントラに対し、チームメイトのザルコは最高峰クラスへの準備ができていなかったと厳しい意見を示した。
「ソムキアットはMotoGPクラスへの昇格準備ができていなかった。彼はMoto2でも十分なパフォーマンスを発揮できていなかったし、考慮すべきことが多くありすぎた」
ザルコはそう語る。
「適応して、何かを見つけ出すことはできたとしても、年間を通じて良い状態を維持するのは難しすぎただろう」
なおチャントラの後任には、Moto2クラスでタイトル争いを繰り広げているディオゴ・モレイラが起用されると見られている。
ザルコは、モレイラならMotoGPクラスに昇格してもやっていけるはずだと主張した。
「モレイラは(MotoGPクラスで)成功できるだけの力を持っている。これまでの全てのバイクで速いし、タイトル争いを繰り広げている。(Moto2で首位の)マニュエル・ゴンザレスの方が、一歩上だとも思うけどね」
「でもMotoGPではシートを得るために国籍も要素になってくるし、スペイン籍が有利ではないのも分かっている。とはいえ、モレイラも非常に優れたライダーのひとりだ」
「彼は(MotoGPに)やってくるだろう。そして十分なパフォーマンスも実力も備えているから、シートを維持できるだろう。簡単じゃない点は、2026年に学んだあと、2027年の新レギュレーションにも適応しなくちゃいけないところだ」
「とはいえ、Moto2でのピレリタイヤでの経験もフィードバックしてくるだろう。2027年を見据えると、そこは興味深いかもしれないね」

