コンビニで昼食を買えば700~1000円、外食ならそれ以上かかることも珍しくなくなったランチ代。そこで20代会社員の間でも弁当を持参する人は少なくない。
しかし、その弁当の中身にも物価高の影響が……。卵や冷凍食品、お米まで値上がりするなか、若者たちは何を諦め、どう工夫しているのか。20代会社員たちの昼食事情を取材すると、“節約の最前線”とも言えるリアルな声が聞こえてきた。
「アボカドはハーゲンダッツだと思ってる」月の昼食代を1万4000円分節約するには
まず話を聞いたのは、横浜市内で働く営業職の男性会社員Aさん(26歳)。会社には週5日ほぼ欠かさず弁当を持参しているそうだ。
「弁当生活を始めたのは約2年半前。彼女と同棲を始めて半年ごろまでは、毎日作ってくれていたんですが、ある日、その弁当を持って行くのを忘れてしまって……。『もう自分で作って!』と彼女に言われてしまい、自分で作るようになりました」
外回りや移動の多い営業職ということもあり、Aさんの職場で弁当を持参している人はほとんどいない。それでも、コストと効率を考えて弁当生活を続けているという。
「僕はジムで体を鍛えているので、弁当はタンパク質が取れて、安くて、簡単なものを作っています。ご飯150グラムに鶏むね肉が定番。休日に2キロほどの鶏肉をまとめて調理し、平日は1食150グラムずつ持参しています。一食あたりのコストは約300円。月20日勤務とすると昼食代は6000円程度でしょうか」
一方、外食なら1食1000円ほど。単純計算でも月約2万円かかるため、約1万4000円の節約になる。
「外食の場合、後輩にご飯をおごることも多いので、金額の差はもっとあると思います」
そんなAさんの弁当からは、いつの間にか姿を消したおかずもあるらしい。
「以前はピーマンや玉ネギなど野菜をたくさん使った“ガパオライス”を作ることもあったんですが、今ではほとんど作りません。時間もかかるし材料も必要なので、今思えば、あれは結構“贅沢”な弁当でした。
最近、弁当のためだけに野菜を買うことはありませんね。野菜は99円を超えると買うかどうか悩んでしまいます」
物価高を実感する食材について尋ねると、「全部です」と苦笑いしたあと、こんな言葉が返ってきた。
「特にアボカドですね。今は1個200円近くするじゃないですか。筋トレ的には良質な脂質なので本当は食べたいんです。でも僕の中では、アボカドはハーゲンダッツ(笑)。1個買ったら、お弁当1食分くらいの値段ですから」
25歳事務職女性がやめたチーズ入り卵焼き
「丸の内で働いていると説明すると、よく『おしゃれなランチしてそう』って言われるんですけど、全然そんなことないんですよ(笑)」
そう話すのは、東京駅付近の企業に勤める女性会社員Bさん(25歳)。夫と2人で暮らし、週に2日ほど弁当を持参しているそうだ。
弁当づくりのきっかけは、約1年半前に転職したことだった。
「以前は区役所に常駐する仕事をしていました。安い食堂があり、比較的安価に昼食を済ませられる環境だったんです。しかし、丸の内エリアに転職すると、ランチ代は一気に跳ね上がりました。外食すると1食2000円程度になりますからね。
そこで、転職当初は毎日のようにコンビニランチ生活になりました。それでも、おにぎりやパン、ヨーグルトを買うだけで700〜800円くらいになってしまいます。毎日続けると結構な出費ですよね。
職場のビル内にコンビニがあり便利なんですが、毎日続くと飽きてしまって。『今日は何を食べようかな』と思って入っても、食べたいものがないんです」
そこで始めたのが、夕食の残りを活用した弁当づくりだった。職場には弁当を広げられる共有スペースがあり、周囲にも弁当派の同僚が少なくない。その環境も後押しになったという。
「夜のうちにおかずを詰め、朝に卵焼きを焼くだけなので、それほど手間はかかりません。自炊したものを持参すれば、一食あたりのコストは250円程度。コンビニ昼食と比べると500円ほど安く済む計算です。(仮に)毎日続けたら、月に1万円くらいは違うと思います」
そんなBさんが、ここ数年で値上がりを強く実感しているのは、毎日の食卓に欠かせない身近な食材だった。
「卵も、オリーブオイルも、チーズも高くなりました。はちみつやインスタントコーヒーも前より気軽には買えないですね。以前はチーズを入れた卵焼きをよく作っていたんですけど、最近はほとんど作らなくなりました。
それから、おにぎりを持参しているのですが、具材はほとんど毎日“ふりかけのおにぎり”です。海苔も梅干しも高いので、具を入れて海苔を巻くおにぎりは、ちょっとした“ご褒美”感覚になっています」

