日本ハムと中日の両球団の間で、宮内春輝投手と日渡騰輝捕手の交換トレードが成立した。プロ野球史上初となる育成選手同士のトレードだが、ファーム東地区の関係者は、
「日本ハムも思い切ったことをやったもんだ。もったいない」
と驚きながらも、宮内の新天地での活躍に太鼓判を押していたが、一方では、
「日渡は打撃力の高い捕手です。まだ21歳と若く、いずれは日本ハムの正捕手争いに加わってくるでしょう」(中日担当記者)
日渡を得た日本ハム、宮内を獲った中日ともに実りのあるトレードとなったようだ。
しかし、21歳の日渡はともかく、宮内は30歳である。年齢的には「もう、あとがない」ということになるが、前出のファーム東地区関係者によれば、
「今の中日投手陣をガラリと変える可能性がある」
いったいどういうことかといえば、
「中日行きが決まった時、宮内は8試合連続無失点の記録更新中でした。今季はここまで17試合に登板したリリーバーで、4度のイニング跨ぎに成功しています。昨年までは制球力が課題でしたが、それがクリアされ、強いストレートと独特の軌道を描くスライダーが武器に。チェンジアップ、カーブでもストライクを取れます」(前出・ファーム東地区関係者)
宮内が中日ブルペン陣に加わり、ここまでファーム関係者たちを驚かせてきた実力を発揮できれば、チーム事情で中継ぎに回っていた草加勝、吉田聖弥を先発に配置転換できる。「中日投手陣を変える」はそういった意味での発言なのだ。
右サイドスローの奪三振率は脅威の「10超え」
宮内は2022年ドラフト6位で指名されたが、当時すでに26歳で、大学卒4年目。右サイドスローのリリーバーで、高校と大学では目立った成績を残していない。
日本製紙石巻に入り、七十七銀行の補強選手として都市対抗に出場したのが、自身初の全国大会だった。
プロ1年目は15試合に登板したが、秋季キャンプ中に左膝靭帯を断裂。以後、育成降格と支配下復帰を繰り返してきた。4年目の今季は対戦チームに一目を置かれ、奪三振率は脅威の「10超え」だった。
「育成選手を支配下に昇格させられる期限は7月末。中日は1軍で使うつもりで獲得したのでしょう」(前出・中日担当記者)
ファーム関係者の予想が現実になれば、セ・リーグ上位チームは中日に警戒しなければならなくなる。宮内の名前は覚えておいたほうがよさそうだ。
(飯山満/スポーツライター)

