「すぐ返すから」と言った僕が、あの傘をずっと返せなかった→口に出せない理由がありました

困っている後輩を放っておけず、僕は大切なものを手放してしまいました。それがどれほど特別だったかを伝えられないまま、彼女の前で言葉を飲み込んだのです。借りたばかりの淡い水色の傘は、その日のうちに僕の手元を離れてしまいました。すぐに返すと約束したのに、現に傘は別の誰かのところにあって、僕にはどうにもできません。早く返さなければと思うほど、彼女の前に立つことすら気まずくなっていきました。
「一緒に住まない?」を毎回はぐらかす彼→部屋には増えていく家具店の紙袋、私は見限りかけた

一緒に暮らしたいだけなのに、彼は話をそらすばかり。冷たくされているのだと思い込んでいた私が、最後にたどり着いた場所で、彼の本当の気持ちを知ります。彼の部屋の隅に、家具店の紙袋がいくつも重ねて置かれていました。付き合って二年、月に何度も通ってきた部屋です。けれど、その紙袋が増えるほど、私と彼の距離は遠ざかっていく気がしていました。
