喜ばせるつもりで不安にさせた
打ち合わせの日、担当者から演出の話が出たので、俺はノートを開きました。彼女が消した候補を指して、「ここも確認したいです」と伝えたところで、彼女が先に言いました。
「私の希望なんて削っていいから。お金が気になるなら、そう言ってよ」
その言葉で、俺が何も説明していなかったことに気づきました。彼女から見れば、消した項目の上に俺が費用や調整案を書き込んでいた。それは、彼女の希望を俺が勝手に現実的な形へ直したように見えてもおかしくありません。
「違うよ」と言ったあと、俺はやっと説明しました。今のプランの中で少しでも近づける方法を探していたこと。ぬか喜びさせたくなくて、先に確認してから伝えようとしたこと。彼女はノートを見ながら、少し間を置いて「先に言ってほしかった」と言いました。
そして...
打ち合わせのあと、2人でノートを開き直しました。俺が書き足したメモの横に、彼女が「2人で確認」と書きました。その文字を見て、俺はようやく分かりました。
叶えたいと思うことと、勝手に進めることは同じではありません。彼女が消したものを見つけたら、次は書き足す前に声をかけたい。形を整えることより先に、2人で迷う時間を大事にしようと思います。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
