「年間最大2,000万円」のコスト削減とクオリティ維持の両立――大手小売業・飲食店の事例が示す実績

同社は、多重構造に起因する無駄を省き、技術的アプローチを最適化することで、10〜30%程度の間接コストや作業工数を削減するノウハウを構築している。
具体的な実績として、年間施設維持費に1億円を投じていた大手小売業では、約1,000万〜2,000万円のコスト削減を実現した。また、年間1,000万円規模の大手飲食店においても約100万〜200万円の費用抑制に繋がっている。これらの成果により、同社は会社設立の翌年2017年と2018年の2年連続で表彰を受けるなど、業界内でも高い評価を得ている。
もっとも、これらの削減指標は対象施設の規模や当初の多重下請け構造の深さ、既存の施工状態によって変動する可能性があり、全ての物件において一律に同様の削減効果が得られるわけではない点には留意が必要だ。
衛生環境への配慮は単なる「コスト」か「投資」か――デジタル化が進む社会における清掃業の存在意義
品質管理アドバイザーとしても活動する武田氏は、「目先のコスト削減だけを追求する方向性は誤りである」と断じる。衛生環境を清潔に保つことは、利用者の快適性のみならず、日本の文化や精神性を支える要素だ。インバウンド需要において日本のクリーンな環境が高く評価されている事実も、この衛生観念の表れである。したがって、衛生管理は一時的な費用ではなく、長期的な「投資」として捉えるべきだという。
社会のデジタル化が進み、労働の概念が変容する中でも、清掃業は社会に不可欠であり、代替のきかない事業である。同社は自らの活動を通じて、労働に対する社会の意識変革を牽引することを目指している。武田氏は、業界の構造改革と負のイメージ払拭、そして次世代を見据えた変革により業界を健全化すれば、若手人材の流入が促され、深刻な人手不足も自ずと解消に向かうと展望している。
今後のビルメンテナンス業界は、古い仕組みを維持しようとする勢力と、新たな効率化を志向する新興勢力とに二極化していく見通しだ。そのなかで同社は、多重構造の適正化や技術志向の管理手法を推進し、市場全体への定着を狙う。

【取材協力】
株式会社NBSマネジメント
代表取締役 武田康介
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