豪傑イメージの「逆輸入」現象も?
こうした中国の伝統的イメージに対し、近年は日本の作品から“豪傑としての呂布”が逆輸入されています。 コーエーの『三國無双』をはじめとする多くの映像作品を通じて、中国でも「最強の戦士」としての呂布像が浸透しつつあります。
現代中国では伝統的な「裏切りの美青年」と「三国志最強の武人」という、ふたつの呂布像が並立しているのです。
横山光輝先生がマンガ『三国志』を描いた時代は、まだ日中関係に壁があり十分に資料を研究することができませんでした。乏しい資料をもとに描かれた呂布が本国の伝統的イメージと全く違う解釈になったのは致し方ないことと思えます。
恋と裏切りの美青年として、あるいは自らの人間的弱さによって滅んだ最強の武将としての呂布。そのどちらにも普遍的な人間のあり方が描かれているからこそ、『三国志』は数百年にわたって愛されているのでしょう。
