記念日の席で分かったこと
当日、彼が予約してくれた店は落ち着いた雰囲気のレストランでした。窓際の席に案内され、彼は少し得意そうに「ここ、前から良さそうだと思ってて」と言いました。
料理が運ばれてくる間、私はどうしても黙っていられなくなりました。「この前のメモ、名前みたいなの消してあったよね」と聞くと、彼は少し気まずそうに目元を動かしました。
「会社の同僚の名前」と彼は言いました。その人に店を教えてもらい、メモに名前を書いていたそうです。でも、私に見せたときに「誰?」と聞かれるのが面倒で、消してから撮り直したのだと説明しました。
そして...
理由は単純でした。けれど、単純だったからこそ、記念日まで抱え込んだ時間が少し悔しくなりました。聞けなかった私にも、気づかなかった彼にも、足りないところがあったのだと思います。
彼は「全部自分で選んだみたいに見せたかった」と言いました。その言葉を聞いて、浮気を疑っていた自分が恥ずかしくなりました。でも、消し跡が残った写真を見せられて不安になったことまで、なかったことにはできませんでした。
次からは、消された跡を見つめ続ける前に聞きたいと思いました。そして彼にも、格好つけるために隠すより、誰かに教えてもらったことまで話してほしいです。記念日に必要なのは完璧な演出より、安心して向き合えることなのだと感じました。
(20代女性・事務職)
本人記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
