1958年の創立以来、教室運営などを通して子どもたちの学びを支えている公文。フランチャイズ契約を結んだ指導者が研修を受けて教室を運営する仕組みで、現在は国内外に約2万3500教室を展開している。そんな中、子どもを公文に通わせる保護者のSNS投稿が反響を呼んでいる。前指導者の長期不在、後任予定者の辞退、そして保護者への「直接連絡」……。教室運営をめぐり、何が起きたのか。
前指導者の長期不在で揺れた教室運営
保護者から根強い人気を誇る公文。「東大生の約3人に1人が公文出身者」という調査もあるように、その学習法は、学習習慣づくりや基礎学力の定着という点でも人気だ。
西日本で二人の子どもを公文に通わせている保護者のSさんも、公文に信頼を寄せ続けている一人だ。指導者や教材への信頼、送迎のしやすさなどから、近隣の教室に幼児期から5年にわたり通わせている。ところが、あることをきっかけに教室運営をめぐる状況が変わったという。「お金も時間も返して」と願うSさんのSNS投稿は注目を集め、保護者からさまざまな反響が寄せられたという。
いったい何があったのか。Sさんに話を聞いた。
「昨年9月頃に、長年指導にあたってこられた先生が体調不良のため長期で教室を離れることになったのです」(Sさん、以下同)
Sさんが子どもを通わせる教室は、週4日開室する大規模教室だ。責任者である指導者を中心に、10数人の学生や主婦のスタッフが運営を支えている。
「先生がお休みされてからは、学生や主婦などのアルバイトスタッフが中心になって運営していました。ただ、長きにわたって司令塔を務めてこられた先生が不在とあって、以前に比べ、子どもたちの学習状況に目が行き届いていないのでは、と感じるようになりました」
指導者の不在は3カ月、4カ月、5カ月と長引いていった。そうした状況の中、Sさんは、「子どもが同じプリントを繰り返したり、つまずいたまま止まったりする場面がありました」と振り返る。不安に感じたSさんは、地域の教室を統括する拠点の担当者に問い合わせた。
「私以外にも複数の保護者が問い合わせを入れたようなのです。先方の回答は『自学自習できるようにプリントが作られているので、指導者の人が不在でも成り立つ』『アルバイトスタッフの方の中にも研修を受けた方がいるので、指導者が不在というわけではない』というものでした」
保護者説明会と個人懇談のあとに1通のメールが…
今年の4月になり、前指導者の退任とともに、当面の間は本部直営で運営されることが発表された。それに伴って保護者説明会が開かれた。
「チームの担当者から、後任の指導者が7月に着任することや曜日変更などが伝えられました。担当の方は、後任の先生について『すごくしっかりしたベテランの先生なので、教室の雰囲気もガラッと変わります』と説明されました」
さらに5月には2回目となる保護者説明会が開催され、チームの担当者とともに後任の指導者も出席した。
「後任の先生は『私を信じてください』と熱く語られました。その先生の意向で個人懇談が実施されることになり、専用フォームで連絡先を登録して日程調整を行ない、6月頭に個人懇談が行なわれました」
Sさんは個人懇談の場でこれまでの状況を後任の指導者に伝えた。
「それを聞いた後任の先生は、『私が責任を持って必ず良くしていきます』と話され、教室をどう立て直していくのか、また今後の学習方針について1時間以上にわたって説明してくださいました」
長年積み重ねてきた公文への信頼があるからこそ、「なかなか退会に踏み切れず迷っていた」というSさん。後任指導者の熱意にほだされ、引き続き同じ教室に子どもを通わせることを決意して帰宅したという。6月3日のことだった。
ところが20日になり、担当者から新たな連絡が届いた。
「本部から『後任の先生の一身上の都合で引き継ぎが取りやめになりました。ご理解ください』というメールが届いたのです」
個人懇談を終えたばかりだったSさんは、急な事態に「理解できるはずもありません」と嘆く。
「これだけ説明会や面談が行われたあとで『一身上の都合』とだけ言われても、納得はできません。後任で来るはずだった先生との面談を受けて学習の進め方も変更されていました。6月からほかの教室の先生がヘルプで来てくださっていましたが、その方も7月までしか来られないと聞いています。
担当者に電話して説明を求めましたが、先方は『申し訳ありませんとしか言いようがないです』と言うばかりで、詳細は伝えていただけませんでした」

