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やっばり情報がないところへ行きたい『メソポタミアのボート三人男』高野秀行×山田高司

やっばり情報がないところへ行きたい『メソポタミアのボート三人男』高野秀行×山田高司

尽きない探検欲

山田 次のフィールドは、何か決まっているの?

高野 当たりはつけてるんですけど、本になるかどうかは、ちょっとやってみないとわからない。今月もまたトルコへ行きますけど。

山田 トルコにしたの?

高野 またクルド人のいる地域に行ってみようかと。とにかく、クルドの人たちの文化や生活について書かれた本って、すごく少ないんですよ。

山田 ロンドンに二年、パリに一年ほどいたことがあって、そこでクルド難民の友達がいっぱいできました。多くの人が逃げてくるくらいだから、実際に行くまではすごい戦場みたいなところかなと思っていたんですよ。ところが、春とか夏になると、そこらじゅうに花が咲いて、ちょっとした桃源郷みたいな風景になる。こういうところでも悲惨な歴史があったんだなと、ちょっと悲しくなりましたね。

高野 クルド人のエリアって、何しろ調査も報道もほとんどされていないので、わからないことが多くて、謎とか未知なことがまだまだある。
 隊長の今後の予定は?

山田 まあ、体調を整えながらだけど、江戸ポタミア探検隊の締めをいまやっているんですよ。多摩川、荒川に挟まれた地域は、昔、海面が高くなったときもあれば低くなった時代もあるんですね。その昔は、荒川、利根川(とねがわ)、多摩川が全部東京湾でつながっていて、この館山が河口だった。だから、いま俺がいるのは江戸ポタミアの河口だという構想で、その江戸ポタミア探検の締めをやらないといけない。
 それに、川と環境保全、森づくり、森林保全をやっている仲間がいっぱいいて、彼らとその方面での新たな構想もしているから、江戸ポタミアの河口に住んでいるというのは、そっちの方でもいい材料になると思って、あれこれ考えているわけです。
 そのためにも腰痛も含めて体調を整えないといけないんだけどね。

高野 いや、また一緒に川旅をやりたいですよね。

山田 俺もやりたいんだけど、川は冷えるからな。腰に悪い(笑)。

メソポタミアのボート三人男

高野秀行メソポタミアのボート三人男2026/6/262,420円(税込)404ページISBN: 978-4087700398川旅は土地のいちばん低いところを行く――。
トルコ東部のティグリス=ユーフラテス川上流域をボートで下る辺境作家(高野秀行)と探検家(山田高司)。彼らの行く手には予想もしない出来事や人々が立ち塞がる。そして第三の男の正体は?
自然と文明、名言とぼやき、危機と笑いが交錯する前代未聞の川旅ノンフィクション。『イラク水滸伝』のB面的側面を、たくさんの写真とイラストでお送りします。
■目次
プロローグ トリアーナの舟
第一章 川の源はトラブルの源
1-1ユーフラテス川源流はゲリラの拠点
1-2衝撃の出発
1-3妖精一家のマネージャー
1-4メン・イン・ブラックの惨劇
1-5トルコし苦労の村
第二章 不条理な人生、理不尽な旅
2-1ムシュで虫になる
2-2ハンマームでエビになる
2-3橋の下をたくさんの水が流れた
第三章 世界でいちばん美しい川
3-1知られざるトルコ最大の「秘境」へ
3-2多次元宇宙ダルスィム
3-3奇跡の聖地ムンズル
3-4大きくなった妖精たち
第四章 アレヴィーの聖なる楽器サズ
4-1「趣味」を調べることなかれ
4-2幻のサズ奏者を探せ!
4-3サズとアレヴィーとコミュニスト
第五章 川と歴史は遡るべし!
5-1非常識なほどの紆余曲折
5-2人類の歴史を塗り替える遺跡
5-3ディープグルメ vs ディープヒストリアン
5-4火と水の都ディヤルバクル
第六章 ティグリス川 世界最後の舟旅
6-1超巨大ダム湖に沈む川
6-2川の番人「バクチ」
6-3濁川芭蕉も涙する夕べかな
6-4大峡谷の探検
第七章 異世界のメソポタミア
7-1「江戸ポタミア」の舟旅
7-2十条のメソポタミア
7-3真逆のクルディスタン
第八章 帰ってきたボート三人男
8-1鳥の目、虫の目、タヌキの屁
8-2王様の川下り
8-3ソウルフードをめぐるささやかな体験
8-4ロストロストロスト

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