吉本新喜劇のレジェンドである池乃めだかの芸能生活60周年記念公演が、7月3日(金)に大阪・なんばグランド花月で開催されました。めだかの83歳の誕生日であるこの日の公演は『ちっさいおっさん大祭り』と題され、内場勝則、小籔千豊、川畑泰史、すっちー、酒井藍、吉田裕ら歴代座長らが集結したほか、めだかと同じく“ちっさいおっさん”の異名を持つナインティナイン・岡村隆史や、なるみも登場! 第二部の歌謡ショーまで150分超の長丁場を、めだかがパワフルに盛り上げました。

ベテランならではのボケと演技で魅了
1943年、大阪府守口市に生まれためだかは、23歳のときに芸能界入り。海原かける・めぐるの“めぐる”として活動後、1976年に吉本新喜劇に入りました。149センチの身長を生かしたボケやギャグで人気を博し、間寛平GM(ゼネラルマネージャー)との“サルとネコ”の掛け合いは新喜劇を代表する鉄板ネタです。
この日の新喜劇の舞台は、とあるホテルのロビー。池乃建設社長役のめだかは、仕事一筋ゆえ恋のチャンスがないまま歳を重ねてきました。
そんなめだかがついに運命の女性と出会い、結婚披露宴までこぎつけたものの、実はそのお相手には秘密があり……? ここに、社長秘書やホテルの従業員、コソ泥グループら濃いキャラクターが加わって、物語はあらぬ方向へと転がっていきます。
本来なら若手座員が担当する前説ですが、この日は座長の吉田裕と“新喜劇の顔”ヤンシー&マリコンヌの松浦真也が登場し、冒頭からスペシャル感満載。幕が開くと、披露宴を終えたばかりのカップル役、中條健一と宇都宮まきをホテルチーフの内場、スタッフのすっちー、藍が囲むシーンからスタートします。
一同はさっそく怒涛のボケ合戦を見せ、社長秘書役の川畑、小籔が加わるとさらにパワーアップ。小籔と川畑による息の合った“イジリ・イジられ”のやりとりが、大きな笑いを起こします。

めだかが、建設会社の新入社員だという若い女性2人に導かれ、おなじみのド派手スーツに身を包んで舞台に現れると、客席からは歓声と拍手の嵐。挨拶代わりに「♪見下げてごらん〜」のギャグを繰り出すと、共演者たちも全力のチームプレーで盛り立てます。
川畑が「今日は社長の83回目の誕生日でもある」と言うと、割れんばかりの拍手が巻き起こりました。小籔から心境をきかれためだかは、「うれしいのひと言。いつも自分が正しいと思うことを、真面目にやって突き進んできた。これからも、これまで同様に見守っていただきたい」と語りました。
その後もめだかは杖を使い、時折、腰掛けながらも、川畑にツッコミを入れたり、ホテルの荷物用カートに嬉々として乗せられたりと八面六臂の活躍で沸かせます。

もちろん、ベテランならではのシリアス演技でも魅了。板前の伊賀健二に、実は自分の恋敵であることも知らずエールを送るシーンや、結婚相手の高橋靖子の幸せを願って別れを決断するシーンでは、年輪を重ねたからこその味わい深い芝居を見せました。
孫からの手紙で出演者も涙…
スペシャルゲストの岡村は、吉田、松浦とともにコソ泥グループの一員として登場。めだかの結婚式の祝儀を狙い、サイズ感の近いめだかになりすますという設定です。めだかと同じキンキラスーツ姿の岡村が現れると、観客は待ってましたの大歓声。

めだかと同じく“小さくて気づかれない”ボケや吉田、松浦とのトリオで見せるギターネタで笑わせます。もちろん、めだかとの“ちっさいおっさん”対決もきっちり用意されており、互いの身長をめぐってモメ倒し、マウントを取り合いました。
さらに、すっちーから巻きザッパを引き継いだ岡村が吉田との“乳首ドリル”に挑戦するなど、サービス精神全開で客席の笑いが止まりません。

劇中では、なるみと山田花子もサプライズでお祝いに登場。めだかはブーケを贈られ、思い出話に花を咲かせます。なるみとめだかは20年以上前、『晴れるヤ夢街道!浪花雪之丞一座』(読売テレビ)で共演しており、ロケでの蔵出しエピソードを披露。
なるみから頬にキスされためだかが大照れする一幕に、小籔が「3歳若なりましたわ」と声をかけます。花子も、おなじみのめだかとのつかみ合いを披露して、客席は大盛り上がりです。

このほかにも、やなぎ浩二、未知やすえ、浅香あき恵、烏川耕一らが次々と顔を出し、持ち味全開で存在感を見せます。やなぎは84歳で新喜劇最年長。めだかより1つ年上ながら、こちらも変わらぬ佇まいで持ちギャグ「チャッソ」を連発し、めだかの記念日をにぎやかに祝福しました。
クライマックスでは、小籔、川畑が社長へ贈るセリフが、めだか本人へのメッセージかのようです。そして、「もっとお礼を言いたい人がいる」と呼び込まれたのが、前半で登場していた新入社員役の2人。実はめだかの孫だと明かされると、客席に大きなどよめきが広がりました。
2人は順番に、おじいちゃんへの手紙を朗読します。その心のこもった内容に、観客はもちろん舞台上にいる出演者たちも思わず涙、涙……。めだかは「言葉が見つからんね。やっぱり一生懸命生きとったら、いいことに出くわすんやな。今日、しみじみ、つくづくそう思いました。ありがとうな」と感謝しました。
