東京からロシアの兵器工場へ向かう流れは、続いていく
警視庁から徒歩10分。西側情報機関の評価が正しければ、GRUの将校とされる人物は警察の目と鼻の先で、航空会社社員の日常を演じながら、日本企業や物流業者との関係を築いていた。
問題は1人の工作員ではない。正規の企業活動、国際物流、民生品の流通、外交官の身分、そして日本人協力者を組み合わせ、兵器生産に必要な技術を調達する仕組みそのものだ。
フィルチェンコフが去っても、別の人間が送り込まれる。日本が技術流出を止められない限り、東京からロシアの兵器工場へ向かう流れは、続いていく。
文/小倉健一 写真/shutterstock

