森保ジャパンを引き継ぐサッカー日本代表の次期監督候補に「立候補」した本田圭佑の就任は、完全に立ち消えになった。
〈僕を1年試してみてください〉
〈もしアジア杯(来年1月)で負けたら問答無用でクビにしてくれていい〉
自身のXでそう直訴していた一件だ。
日本サッカー協会(JFA)はこれに対し、
「将来的に監督を目指していただきたいタレントの1人」(山本昌邦技術委員長)
と最大限の評価をしたが、監督ライセンスを所有していないことが「却下」の大きな理由だった。
しかしJFAで過去に監督経験が全くなく、日本代表監督に就任した例がある。2006年ドイツW杯で指揮を執ったジーコである。
当時、Jリーグ初代チェアマン・川淵三郎氏の推薦もあり、日本代表監督のオファーを受けた。監督ライセンスを持っていない点が危惧されたが、現役時代のキャリアなどを加味する形で、日本代表監督に就任。
大いに期待されたドイツ大会の結果は、1次リーグ敗退。ブラジル代表には1−4の惨敗と全く歯が立たずに終わった。
29歳とこれから脂が乗るはずの中田英寿が電撃引退する、という結末も招いた。
本田の「代表監督立候補」を受けて、多くのJFA幹部が口にした「監督ライセンスの有無」は、JFAがその気になれば難なくクリアできた問題だ。ではなぜ「本田監督」はアッサリと立ち消えになったのか。
それは本田自身が代表監督ではなく「日本代表の総監督=ゼネラルマネジャー(GM)」への就任を強く希望したからにほかならない。
「JFA幹部と極秘に接触して『GMをやりたい』と直訴しました」(日本代表OB)
では次期監督はどうするのか。これについても、
「本田は『僕が探してきます』と話したといいます」(前出・日本代表OB)
代表チーム全体を仕切られることにサッカー協会が難色を示した
本田は今も現役引退を表明していないが、賛否両論あるとはいえ、欧州のトップリーグ、イタリア・セリエAの強豪ACミランの「10番」をつけた男だ。W杯では3大会連続ゴール、通算4得点を決めた。これは日本代表の記録である。
今の日本代表のほとんどが欧州リーグで、それも主力として活躍するレベルまで上がっている。ところがW杯カタール大会に向けた森保1次政権では、
「現役時代に海外移籍のキャリアがなく、しかもW杯に出たことがない人が監督になるのか、という空気が蔓延していた」(JFA関係者)
本田の現役時代のキャリアは申し分ない。JFAとしては願ったり叶ったりの立候補に見えたが、代表チーム全体を「本田総監督」に仕切られることには難色を示した。
JFAでは定例理事会が7月23日に行われる予定だ。次期日本代表監督の承認が大きな議題のひとつになるが、
「それが7月に確実に決まるかどうかは、なんともいえません」(JFA関係者)
もうひと波乱あるのか。
(小田龍司)

