プロ野球のファーム中地区が「異常事態」に見舞われた。7月15日に巨人2軍が勝利し、チームの連勝が11に伸びた。再調整中の田中将大が6回3失点とゲームを作り、逆転の適時打を放つなどしたのが石塚裕惺と浅野翔吾。田中が結果を出し、近未来のクリーンアップ候補が活躍したとなれば、これ以上ない喜びだろう。
これで巨人2軍の成績は52勝28敗1分。当然、中地区の首位だが、2位・DeNAとのゲーム差は僅か2。11連勝しても、僅差の首位争いが続いているのだ。
「中地区にはハヤテベンチャーズ静岡もいます。ハヤテは24勝52敗2分の借金28。失礼ながら、対戦チームに勝ちを提供している状況です」(ファーム関係者)
ところがファームの個人成績を見てみると、打率、安打、打点、盗塁のトップがハヤテ選手で、投手部門でも完投、完封試合数(3人がタイ)、セーブでもハヤテ選手がトップになっていた。個人成績がよくても勝てないのは、野球という団体競技の奥深さゆえだろうか。
そのリーグトップの成績を収めるハヤテ選手だが、打率、安打、盗塁の「三冠王」になっているのが、右投左打の外野手・廣沢新太郎だ。
「パワーではなく、ヒットを稼ぐタイプです。守備範囲も広いですよ」(前出・ファーム関係者)
2軍首脳陣は自信を持って田中将大の昇格を推薦できない
プロフィールを確認すると2001年3月生まれなので、25歳でプロ1軍入りを目指すことになる。25歳でオイシックス新潟から巨人に育成5位で指名され、支配下を勝ち取った知念大成の例もある。廣沢も今秋のドラフト会議で去就が取り沙汰される一人だろう。
「巨人2軍には吉川尚輝や中山礼都など、本来なら1軍でプレーしている選手が多いですね」(スポーツ紙記者)
7月15日に先発した田中はトータルでは6回3失点だが、4連打で先に失点している。2軍首脳陣は自信を持って昇格推薦はできないはずだ。
ファーム中地区で強いのは巨人2軍だが、目立つのはハヤテ選手の奮闘。2ケタ連勝のウラには、色々な事情が隠されていたのだ。
(飯山満/スポーツライター)

