
「もっと上手くできたはずです」
「失敗は許されない」
「中途半端な状態で出すくらいなら、最初からやらないほうがマシだ」
何かを真剣に頑張っている人ほど、こうした考えに心当たりがあるかもしれません。
高い目標を掲げ、よりよい結果を目指すこと自体は、とてもいいことでしょう。
しかし「ベストを尽くすこと」と「完璧でなければ価値がない」と思い込むことは別物です。
完璧主義が強くなりすぎると、細かなミスが気になって作業が終わらなかったり、失敗を恐れて挑戦できなくなったり、自分や他人を厳しく責めたりするようになります。
では、高い目標を捨てることなく、完璧でなければならないという苦しさだけを手放すことはできるのでしょうか?
そこで今回は「完璧主義を克服するための10のヒント」について見てみましょう。
※ 「10のヒント」だけを見たい方は、2ページ目に飛んでください。
目次
- 完璧主義には「3タイプ」ある、一人で全タイプを抱える場合も
- 完璧主義を克服するためのヒント1〜5
- 完璧主義を克服するためのヒント6〜10
完璧主義には「3タイプ」ある、一人で全タイプを抱える場合も
完璧主義とは、自分や周囲の人に対して、その状況で本当に必要とされる以上の高い基準を求める傾向です。
完璧主義と聞くと、熱心に努力し、優れた結果を出す人を思い浮かべるかもしれません。
実際、細部への注意や粘り強さ、高い基準は、勉強や仕事の成果につながることがあります。
しかし、健康的に最善を尽くす人は、うまくいかなかったときにも経験から学び、次の行動へ進めます。
一方、完璧主義が強い人は、自分のベストを尽くしても「まだ足りない」と感じます。
目標を達成したかどうかだけでなく、少しでも欠点があったことを失敗とみなし、自分の価値まで否定してしまうのです。
完璧主義の向かう先は、一つとは限りません。
まず、自分自身に極端に高い基準を課すタイプがあります。
仕事や勉強、外見、家事などを完璧にこなせなければ、自分を認められない状態です。
次に、家族や友人、同僚など、周囲の人にも高い水準を求めるタイプがあります。
相手の小さなミスや、自分とは異なるやり方を許せず、人間関係の摩擦につながることがあります。
さらに、周囲の人々が自分に完璧さを求めていると感じるタイプもあります。
「失敗したら嫌われる」「成果を出さなければ見捨てられる」と考え、他者からの評価に強く左右される状態です。
一人の中に、これらの傾向が複数存在することもあります。

完璧主義の根底には、しばしば「今の自分では十分ではない」という感覚があります。
そこで、もっと努力して、もっと成果を上げれば、いつか自分を認められるようになると考えます。
しかし、自分の価値を成果だけに結びつけると、目標を達成しても安心は長続きしません。
成功すれば、「成果を出したから認めてもらえた」という考えが強化され、さらに高い目標を設定します。
失敗すれば、「やはり自分には価値がない」と感じ、それを打ち消すために別の目標へ向かいます。
どちらの結果になっても、再び完璧を追いかける循環に戻ってしまうのです。
また、目標が高すぎるほど、失敗への不安も大きくなります。
何から始めればよいか分からず先延ばしをしたり、重要ではない細部を何度も確認したり、挑戦そのものを避けたりすることがあります。
完璧を目指しているはずなのに、その完璧さへの執着が、かえって行動を妨げてしまうのです。
では、この循環から抜け出すには、どのような考え方が役立つのでしょうか。
完璧主義を克服するためのヒント1〜5
1.小さな成功を意識して認める
完璧主義が強いと、目立つ成果だけを成功とみなし、日常の小さな前進を無視してしまいます。
大きな仕事を終えることだけでなく、たとえば、予定どおり起きれたこと、短時間でも作業を進めたこと、友人に連絡できたことなども、その日に達成したことです。
脳が失敗や欠点ばかりを探す習慣を持っているなら、意識的に小さな成功を探す必要があります。
一日の終わりに「今日できたこと」を一つ振り返るだけでも、自分への評価を成果の大きさだけに依存しにくくなります。
2.大きな目標を「達成可能なステップ」に分ける
完璧主義者は、最初から完成形を思い浮かべがちです。
しかし、壮大な完成形と現在地を比べれば、どのような作業でも圧倒されてしまいます。
そこで、大きな目標を、今日できる小さな作業へ分解します。
「完璧な企画書を作る」のではなく、「見出しを三つ考える」「最初の段落だけ書く」といった形です。
一つの段階を終えるたびに進歩を確認すれば、完成までの過程そのものを成果として捉えられます。
3.あえて小さな不完全さを経験する
完璧主義を弱めるためには、「完璧にしなかったら何が起きるのか」を実際に確かめることも役立ちます。
部屋が完全には片づいていない状態で友人を招く、重要ではないメールなら何度も読み直さずに送ってみる、間違える可能性があっても授業や会議で発言してみるといった方法です。
これは無謀な失敗をするという意味ではありません。
安全な範囲で基準を少し下げ、その結果を観察する試みです。
多くの場合、恐れていたほど重大なことは起きず、不完全でも物事は進むと学べます。
4.「これに使うエネルギーはあるか」と考える
すべてを高水準に仕上げようとすれば、時間も体力も足りなくなります。
何かを完璧にしたくなったときは、「これは本当に時間をかける価値があるのか」と問いかけてみます。
資料の重要な数値を確認することには意味があっても、自分しか見ないメモの文字を何度も書き直す必要はないかもしれません。
限られたエネルギーをどこに配分するか決めることは、手抜きではありません。
自分にとって本当に大切なものを選ぶ行為です。
5.「完璧より、まず完成」を合言葉にする
完璧な状態になるまで人に見せられないと考えると、作業はいつまでも終わりません。
しかし、多くの成果物は、完成後に修正できます。
文章は公開後に改善でき、計画は途中で調整でき、技術は実践しながら高められます。
最初から完璧なものを作るのではなく、まず形にしてから改善すると考えることで、行動への心理的な壁を下げられます。
完成は終着点ではなく、次の改善を始めるための地点でもあるのです。

