最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
86歳・山本晋也監督が語る“ピンク映画黄金時代”「5日で1本撮る現場は戦争だった」

86歳・山本晋也監督が語る“ピンク映画黄金時代”「5日で1本撮る現場は戦争だった」

清く正しい映画」への違和感

ピンク映画というと暗いイメージが強かったが、それを打ち破ったのが山本晋也監督だ。作品に時事ネタやコメディー要素を盛り込み、役者もアドリブを交えながら、ハイテンションなノリで演じて笑いを誘った。

――たこ八郎さんのドジな警官なんか、出てくるだけでお客さんは大笑いしてました。出演する役者さんがみんなイキイキとしてて、とっても魅力的でしたね。
山本 アドリブのことはよく言われるけど、演じる方と演出する方の呼吸がピッタリ合っていたから、うまくいったんだ。まあ、久保新二、たこ八郎、野上正義、堺勝朗、松浦康など、みんな芸達者なので、演出していて本当に楽しかった。

――人気俳優の柄本明も、映画デビューは監督の作品です。また、役者だけでなく、滝田洋二郎監督や井筒和幸監督などが、山本監督の下から育ったのがすごい。
山本 滝田が僕から何を学んだかは分からないが、助監督時代は本当に僕の右腕となって頑張ってくれたよ。『おくりびと』でアカデミー賞を取ったときは、本当にうれしかった。井筒の方は、とにかくバイタリティーがあって、女優をうまく使っているよね。

――井筒監督は、山本監督の凄まじく忙しい現場を体験したことが血となり肉となった、と語っています。
山本 そう言ってくれるとうれしいね。とにかく、5日間ぐらいで1本の映画を撮るのだから、現場は戦争だったよ。

山本監督は’94年の短編映画『食べるある愛のカタチ』以来、映画を撮っていない。約3年前に製作発表があった30年ぶりの最新作『清く正しくいやらしく』も、さまざまな事情によって中止となってしまった。

――最近の映画についてはどう思われていますか。
山本 “清く正しい”作品ばかりなような気がする。

――体の露出や性描写をチェックするインティマシー・コーディネーターを使うのが、現在の映画では当たり前になっています。
山本 今はキスの仕方までうるさく言う俳優がいるというんだからね。入浴シーンでは、バスタオルを着けて演じている女優もいるとか。唖然としてしまうよ。そんなんで、お客さんを満足させられる映画などできるわけがない。

――山田洋次監督は90歳を過ぎても映画を撮っています。86歳の監督も、まだまだこれからですね。
山本 自分をよく分かってくれる製作者がいたら撮ってみたい。そう思っているけど、これが難しいんだよ。

――今やネット社会で、新聞や雑誌が読まれなくなっていますが、この現状をどう思われていますか?
山本 これはえらいことですよ。やっぱり、新聞や雑誌を読んでないと、思考能力などが身についていかないもの。日本が今後、どうなっていくのかを、じっくり見ていきたいね。

――当時は、監督業の傍ら、タレントとしても大活躍。20年以上、深夜のテレビ番組『トゥナイト』の風俗リポーターを務め、人気を博しました。
山本 一つ一つが作品だったんだよね。それぐらい乗ってやっていたし、面白い場面にも何度も遭遇したね。

山本晋也監督作品特集上映
東京・杉並区『ラピュタ阿佐ヶ谷』にて
7月9日(木)~8月19日(水) 連日21:00より。

「週刊実話」7月16日号より

やまもとしんや=1939年6月16日、東京・神田に生まれる。本名・伊藤直。’63年、日本大学芸術学部を卒業。’65年、成人映画『狂い咲き』で監督デビュー。以降、約250本の作品を監督。代表作は『女湯』『痴漢』『未亡人下宿』シリーズ。’80年以降はテレビのレポーターとしても活躍し、人気を博す。
配信元: 週刊実話WEB

あなたにおすすめ