「彼女さん気が利くね」に、誇らしげに答えた俺
焼き場に立つ彼女に「ビール取って」と頼みました。彼女は無言で缶を差し出してくれました。隣のテントから別の同僚が「彼女さん気が利くね」と声をかけてきます。俺は缶を片手に「うちのこういうとこだけはいいんですよ」と笑って返しました。同僚たちが笑い、俺は誇らしい気分でビールを飲み込みました。
その直後、彼女は「ちょっとお手洗い」とだけ言って、土手の方へ歩いて行きました。背中を見送りながら、俺はまだ何も気づいていませんでした。
そして...
戻らない彼女を心配して、俺は土手の上まで上りました。自販機の明かりの前に、彼女は立っていました。「何怒ってんの?」と聞いた俺に、彼女は「ねえ。今日、私が何回座ったか覚えてる?」と聞き返しました。答えに詰まる俺の前で、彼女は「私、今日ここに遊びに来たの。手伝いに来たんじゃない」と告げ、土手を下りていきました。
家に着いてから「ごめん。本当に気づいてなかった」とだけ送りました。翌週末、俺は紙皿と肉と野菜を1人で買って、彼女の家のベランダで2人だけのBBQをしました。今度は、俺が全部焼きました。
(30代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
