世の中には、家の中では横暴に振る舞って家族を支配するが、家の外では平身低頭で他人に意見する勇気も度胸もない小者がいます。
筆者はそういうタイプの卑怯な男が本当に嫌いです。
今回は、そんな小者の特徴と攻略法をこっそり公開します。
「亭主関白」とは
そもそも皆さんは「亭主関白(ていしゅかんぱく)」という言葉をご存知ですしょうか?
もしかすると、Z世代以降の現代っ子には馴染みのない言葉かもしれません。
亭主関白とは「夫が家庭内で威張って支配権を持ち、一家や夫婦間で君臨していることを意味する四字熟語」で、昭和世代にとっては結婚観の根底を成す重要なキーワードでした。
昭和の価値観に生きた男はこぞって亭主関白な男に憧れ、家庭内で偉そうに振る舞っていたものです。
事実、当時は男女共働き世帯の方が珍しく、家計において男は一家の大黒柱でしたから、「誰のお陰で飯が食えると思ってるんだ!」というセリフを横行するような社会風潮でした。
当時、人気のシンガーソングライターであったさだまさしさんが、1979年にリリースしたシングル曲「関白宣言」が、世の亭主関白を助長した大きなきっかけでもありました。
曲の内容はこんな感じです。
「結婚する前に、お前に言っておきたいことがある。まず、俺より先に寝るな。俺より後に起きるのもダメだからな。あと俺、うまい飯しか食わないから。
あ、そうそう、俺を飽きさせないために、お前は常にきれいな女でいろよ。ま、俺は浮気するかもしれないけどね(意訳)。」
歌詞だけ見るとだいぶひどい内容ですが、これがさだまさしさん最大のヒット曲となり、ミリオンセラーを記録。
もともとこの曲は、「最近の頼りない男たちに活を入れてやらねば」的な動機で作られたものらしいです。
そのため、決してさだまさしさん自身の気質や価値観を歌ったものではないことを添えておきます。
さて、そんなわけで、昭和の男たちは関白宣言を拠り所に、亭主関白を体現して、家庭という小さな箱庭でかりそめの威厳を育むのでした。
やがてそれは男尊女卑的な価値観を加速し、中には自分の妻への加害やハラスメントを正当化するために「亭主関白」を持ち出す者も現れ始めるように。
亭主関白という概念は、遂に「男性の悪い一面を無条件に正当化できるチート」にまで昇華。
筆者は現在40代ですが、同世代にはこのチートの使い手がかなり多いです。
さらに悪いのは、モラハラ気質やいじめっこ気質の男性だけでなく、女子供に威張り散らかして自分の威厳を確保した気になる軟弱なタイプの男性までもがチートを乱用すること。
社会の水面下に潜み、なかなか顕在化しないそういった「エセ亭主関白」は、無自覚に家族を苦しめる確率が高いのが問題です。
エセ亭主関白の特徴
どういうタイプがエセ亭主関白になるのでしょうか? 主な特徴を解説します。
1.気が弱い

筆者がリアルに知っているエセ亭主関白全員に共通するのが、「気が弱い性格」です。
普通の会社員の方もいれば、中にはそれなりに成功している経営者もいます。立場や境遇はさまざまですが、彼らに共通するのがとにかく「気が弱い」ということ。
たとえば、自分の意見をはっきりと言えない性格だったり、そもそも劣等感が強かったり。トラウマが原因のケースもあると思います。
いずれにせよ、気が弱い性格になったのはおそらく本人のせいではないでしょう。
しかし、その気の弱さと向き合うことを避け、課題から逃げ続けてきた結果、
「自分より立場の弱い者をいじめることで自己効力感を得た気になって悦に入る」
という行動に走る結果となり、その結果を招いたのは紛れもなく自業自得です。
2.躁タイプである
筆者は、人間には2つのタイプがいると考えています。1つは「躁(そう)タイプ」、もう1つは「鬱(うつ)タイプ」です。
躁タイプをわかりやすく説明すると、嫌なことがあるとイライラするタイプです。鬱タイプは逆で、嫌なことがあると落ち込むタイプです。
躁タイプは、嫌なことに対する攻撃的な感情をバネに、問題解決へ向けて能動的に動きやすい反面、他害的になりやすいのが特徴です。
鬱タイプは受動的なため、問題を能動的に解決するのが難しいですが、少なくとも人を傷つけるようなことはしません。
それぞれ一長一短ではありますが、エセ亭主関白は前者の「躁タイプ」が多いようです。
3.見栄っ張り

とにかく見栄っ張りが多いです。
彼らが見栄を張りたがるのは、実際には「何も持っていないから」でしょう。自分に誇れるものが何一つなく、そういうものを培う努力もしてこなかった結果です。
しかし、そんな自分を認める勇気もない。
だから反撃してこなさそうな身近な女子供を支配して、「自分にはこれだけの力があるんだ」と、何とか自分の効力性や存在意義を保とうとしているようです。
