自宅の電話が鳴るたびに「またか…」と眉をひそめているアナタ。迷惑電話や詐欺電話、強引な営業トークの嵐に疲れ果て、固定電話を解約する人が増えているのだ。総務省の2025年「通信利用動向調査」によると、全世帯の固定電話保有率は55.1%。4割以上は固定電話を持たない状況にある。特に20代から30代の若年世帯の固定電話離れは顕著で、スマホやIP電話があれば固定電話は不要、と考える人が増えている。
筆者も先日、実家に帰った際に、現実を目の当たりにした。高齢の親の固定電話に、日本郵便を名乗る詐欺電話がかかってきたのだ。「住所と名前を確認させてください」と言われ、親は戸惑いながら応対。あとで郵便局に確認すると、詐欺であることが判明した。これを機に筆者と親が話し合い、固定電話を解約することに決めた。この出来事だけでも、固定電話離れの理由は十分にあるといえる。
固定電話を手放すメリットは明確だ。固定費の節約、セールスや詐欺電話からの解放、配線や電話機のスペースが不要になる。さらにスマホやIP電話に一本化すれば、番号管理は格段に楽になる。
一方で、デメリットもある。停電時に使えない、緊急時のつながりが不安、FAXが使えない、ビジネスで固定番号を求められるケースがある。捨てるか残すかは、確かに慎重な判断が必要だ。
それでも固定電話を残す場合には、防御策がある。ナンバー・ディスプレイ契約で非通知や怪しい番号を拒否、応答メッセージで要件を確認、知らない番号には出ない、折り返さない、さらにブラックリスト登録まで。ちょっとした設定で、セールスや詐欺の大半は撃退可能となる。
警察庁によれば、特殊詐欺の初期接触手段は77.5%が電話で、その9割以上が固定電話に架電している。固定電話を持っているだけで、標的になりかねない。
家族やライフスタイルに合わせ、あなたの番号を安全に守る「断捨離術」を駆使して、迷惑電話にサヨナラしよう。

