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「勇気ある、正しい選択」 ベリンガム招集外に見るトゥヘル監督のW杯に向けたイングランド代表強化のアプローチを海外メディアが称賛!

「勇気ある、正しい選択」 ベリンガム招集外に見るトゥヘル監督のW杯に向けたイングランド代表強化のアプローチを海外メディアが称賛!

イングランド代表のトーマス・トゥヘル監督が、今月の代表ウィークでレアル・マドリー所属のMFジュード・ベリンガムを先月に引き続き招集しなかった件については、様々な憶測が流れた。

 ドイツ人監督は、あくまでもベリンガムが夏に行なった肩の手術から回復中で、「コンディション問題」「まだリズムが戻っていない」と語っているが、マドリーでは今季すでに5試合でプレーしており、アトレティコ・マドリーとのマドリード・ダービーにも先発している。現地メディアは別の点に招集見送りの理由を求めている。

 スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、「昨年、トゥヘル監督は『私の母親が、ベリンガムのピッチ上での態度に嫌悪感を覚えると言っていた』と発言し、記者たちを驚かせた。彼は後にこの発言を撤回して謝罪したが、そこには、22歳のMFの振る舞いに対するある種の不満が滲んでいたように見える。どうやらトゥヘルは、『偉大な選手であると同時に、チームの一員としての振る舞いもできる』ベリンガム像を求めているようだ」と報じた。
 
 同メディアは、この若きマドリーのスター選手に対し、「彼は完璧主義者であり、そのボディランゲージは時に、才能の劣る仲間を軽蔑しているように見える。これらの非難は正当なものなのか? それともベリンガムは単に周囲のレベルを引き上げようとしているだけなのか? どうやら本人はこれまで、自身を取り巻く空気に気づいていなかったのではないかと思われる」との見解を示し、以下のように彼を擁護もしている。

「もっともベリンガム自身、『自分は個人的な弱さを隠すために“マッチョなイメージ”を保っている』と認めており、現在の空気感を多少は察しているようだ。そして誰も、創造者としても、アタッカーとしても、イングランドのワールドカップ・プロジェクトにおけるベリンガムの重要性を否定しない。彼をよく知る人々は、『素晴らしい人格者だ』と評している」

 その一方で、「ドルトムント時代にも、まだ十代だった彼がチームの状況が悪い時にベテラン選手に意見した件を快く思わなかった者がいた、という話があった。16歳でバーミンガム・シティのレギュラーとなり、それ以来、クラブで282試合、代表選手として44試合に出場したベリンガム。これほどの成功を収めれば、多少浮かれてしまうのも無理はないが」と、別の側面にも言及した。 そして『ESPN』は、「これに対してトゥヘル監督は、『全てが当然だと思うな』とメッセージを送っている。10番のポジションには、他にもコール・パーマー、モーガン・ロジャース、モーガン・ギブス=ホワイトといった選手がいる。つまり、『他の選手と同じように、自分のポジションを勝ち取れ。ここに特別扱いされる者はいない』というわけだ」と、ドイツ人指揮官が今回、べリンガムに対して厳しい姿勢を示したと断定する。

「つまり今回、我々が目にしているのは、トゥヘル監督がチーム内の不協和音を取り除き、統一されたW杯用のスカッドを作ろうとしている姿勢だろう。過去には、フランス代表が2010年大会で大きな内紛を起こしたり、スペイン代表が黄金期を迎える前には多くの大会で、マドリーとバルセロナの選手たちが仲違いしていた件が思い出される」

 奇しくも先日、代表OBのスティーブン・ジェラードが、現役時代の「黄金世代」といわれた代表チームを「エゴにまみれた負け犬集団」と称して話題になったが、トゥヘルにとっては、チーム全員が同じ方向に向けて力を合わせられる集団を構成するのが最重要課題であり、それは前任者ガレス・サウスゲイトとも共通している。
  同メディアは、トゥヘルについて「イングランドを唯一のW杯優勝に導いたアルフ・ラムゼーを思い起こさせる」として、この名将がレギュラークラスの選手にすら常に緊張感を持たせていたと紹介。そして、「トゥヘルは、59年前のラムゼーと同じように、自分のやり方でこの仕事を進めるつもりだ。それが一部の人の気に障ったとしても、彼は気にしない」と綴り、このアプローチを称賛するとともに、ベリンガムに大きな期待も寄せている。

「それは勇気ある選択であると同時に、正しい選択でもある。ベリンガムは再びチームに戻り、自らの価値を証明しようとするだろう。そして、ワールドクラスの選手であり、優れた人間でもある彼は、監督が伝えようとしている内容を、きっと理解しているはずだ。これは全て成長の過程の一部であり、いつの日か彼はこう振り返るかもしれない。『代表から外されたあの日こそ、自分がより良いチームプレーヤーになれると気づいた日だった』と」

構成●THE DIGEST編集部

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配信元: THE DIGEST

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