駅のガラスに映った私の口元
改札に向かう途中、駅構内のショーウィンドウに自分の姿が映りました。ピンクのリップを塗ったばかりの口元が、まだ「うざ」の形に歪んでいるように見えました。
あの女の人の声は、決して大きくはなかった。むしろ周りに聞こえないよう気を遣っていたのだと、改札を通ってから気がつきました。
帰宅して母に話したら、いっしょに笑ってくれると思っていました。母は私の話を最後まで聞いて、「あなたが正しいとは言えないかな」と一言だけ言いました。
そして...
それから何日かの間、私はバッグから日焼け止めを取り出すたびに、あの一言を思い出します。塗り直したいときは降りた駅のトイレに寄るようになりました。注意してくれた女の人にお礼を言える機会はもうないけれど、せめて次にチューブを開ける場面が来たら、私のほうから先に場所を変える側でいたいと思っています。
(10代女性・高校生)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
