
3875館で公開を迎えた『モアナと伝説の海』の初日から3日間の興収は4314万2824ドル。公開前の予測では6000万ドルを超えるオープニングになると見込まれていたが、それを下回る結果に。昨年公開された『白雪姫』(25)がオープニング興収4220万ドル、コロナ禍前の『ダンボ』(19)が同4599万ドルだったので、上映館数の違いはあるとはいえ同じぐらいのスタートを飾ったことがわかる。
その『白雪姫』は、最終的に北米興収8720万ドルで全世界興収も2億ドル強。2億5000万ドルを超えた制作費の回収ができず、宣伝費などを考慮すると1億7000万ドル近い赤字を出したと報じられていた。一方の『ダンボ』は1億7000万ドルの制作費に対し、北米で1億1400万ドル、全世界で3億5000万ドルの興収という成績に。これらを踏まえると、爆発的なオープニングではなかった場合の妥当な着地点は、北米でオープニング興収の200〜250%ぐらい、全世界でその3倍程度といったところか。

そう考えると、『モアナ』は北米で1億ドル前後、全世界で3億ドル前後の着地になると推測できる。制作費は『白雪姫』とほぼ同額の2億5000万ドルといわれているので、厳しい航海となることは否めない。もっとも、オープニング興収3540万ドルに対し北米で2億5000万ドル超、全世界で7億ドル超の興収を記録した『ライオン・キング:ムファサ』(24)のような例もあるので、必ずしも望み薄というわけではなさそうだ。
気掛かりなのは作品評価。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合はわずか32%と、『白雪姫』の39%を下回ってしまった模様。ただ興収に結びつきやすい観客からの評価は89%と非常に高く、これは『ムファサ』の88%を上回っている。この観客からの高評価を活かし、少しでも息の長い興行に持ち込むことが重要になってくるだろう。

前週初登場1位を飾った『ミニオンズ&モンスターズ』(8月7日日本公開)は、週末3日間で興収2115万ドルと、前週対比57.2%の成績で2位に。累計興収は1億ドルを突破し、全世界興収は3億ドル目前。同フランチャイズの過去作が軒並み10億ドル前後の成績を収めていたことを考えれば物足りなくは見えるが、制作費は8500万ドルなので、今回もあっさりと損益分岐点を突破したことになる。
また公開4週目で3位となった『トイ・ストーリー5』(日本公開中)は、週末3日間で興収1900万ドルと上々の成績をキープ。北米での累計興収は週末時点で4億ドルを突破し、7月16日の木曜日に『トイ・ストーリー3』(10)の同4億1500万ドルを超えることに成功。同4億3400万ドルだった『トイ・ストーリー4』(19)も射程圏内に収めており、シリーズ最高記録更新に着々と近付いているようだ。

そして4位には、名作ホラー「死霊のはらわた」シリーズの3年ぶりの新作となる『Evil Dead Burn』が初登場。シリーズの生みの親であるサム・ライミが製作を務め、メガホンをとったのはフランス出身の新鋭セバスチャン・ヴァニチェク監督。初日から3日間の興収は1370万ドルと、スマッシュヒットを記録した前作『死霊のはらわた ライジング』(23)には及ばなかったが、時期的なものを考えれば悪くない数字。サマーシーズンの中盤も、ホラー作品の好調ぶりは継続だ。
文/久保田 和馬
