2021年に新卒で入社した大手IT企業のサイバーエージェントを在籍5年で退職し、麻雀プロの道を突き進むことを選んだ日本プロ麻雀連盟所属の朝比奈ゆり。
サイバーエージェントが手掛けるインターネットテレビ局・ABEMAの麻雀チャンネルの仕事を通じて、麻雀にハマり、プロ雀士となった。インタビュー後編では、今後の目標や夢について語ってもらった。(前後編の後編)
ABEMASのことは気にせず、受けちゃっていいからね
朝比奈は会社在籍時に麻雀にハマり、2024年の4月にプロ試験に合格。1、2年目で日本プロ麻雀連盟のWRCリーグを連覇、第9期桜蕾戦に優勝するなど結果を出し、その後、会社を退職。現在はプロ雀士として活躍する。
昨年は「アース製薬100周年記念 世界麻雀TOKYO2025」国別対抗チーム戦の日本代表 Under29代表チームに選出された。業界期待の若手雀士として期待されているが、「選ばれる自信は全然なかったです。盛り上がりそうな感じだと思って、選ばれたかったんですけど、世界麻雀がどんな規模のものなのかは、正直わかっていない部分がありました」と当時について振り返る。
「ただ、日本代表という響きは、すごくわかりやすいですし、会社の同僚とか、麻雀と関係ない世界で関係を築いた方からも、『すごいね、日本代表なんだね』みたいな感想をいただきました。そういう意味では、麻雀をやっていることを結果として示せて良かったです」。
世界麻雀の日本代表監督を務めたのが、朝比奈が5年間在籍した会社の創業者である藤田晋氏だ。
「在職中、藤田さんとは直接の関わりはなく、世界麻雀のレセプションパーティーの時に、初めてちゃんとお話しをさせていただきました。第一声は『もしMリーグのチームから声が掛かってもABEMASのことは気にせず、受けちゃっていいからね』でした。その時はまだ私もサイバーエージェントの社員だったので、藤田さんは“他チームの誘いは受けづらいと思っているのかな”みたいな感じで、私に配慮してくださったんだと思います」。
“悔しい”と思えることが“まじで楽しい”
朝比奈は個人トーナメント戦「Mトーナメント2026」で、念願の“Mの舞台”を経験した。同卓した近藤誠一に役満をアガられるなどで予選1stステージで苦渋を飲んだが、確かな刺激を貰った。同卓した黒沢咲は、対局後に自身のXで「麻雀は強いし、志は高いし、間違いなく連盟の若手ホープだと思います」と、朝比奈についてポストしている。
麻雀は強いし、志しは高いし、間違いなく連盟の若手ホープだと思います✨
— 黒沢咲⚡️ (@kurosawasaki) June 8, 2026
お互い頑張りましょうね😆 https://t.co/CVq2GcyPgW
「プロになったからには“Mリーガーになりたい”という思いは最初からありました。『Mリーグ2026-27』のドラフトでは残念ながら選ばれませんでしたけど、周囲に期待してもらえたりすると憧れが強まりますし、“頑張らなきゃ”というポジティブな気持ちにもなれます。いつかはMリーグの舞台で打てるように、日々練習を重ねています」。
プロ雀士として戦う中で、精神面の負担を強いられることもある。負けたときはズドンと気持ちが落ち込むこともあるが、朝比奈は「私、“悔しい”と思えることが“まじで楽しい”と思ってしまうタイプなんです」と語る。
「大人になってガチ凹みしたり、熱くなって感情が揺さぶられることって、みんなが経験できるわけではないと思うんです。元々、サイバーエージェントに就職したのも“ABEMAをみんなで盛り上げようとする熱い会社だな”と思ったから。プロ雀士になってからもそういう環境に身を置けるのは本当にありがたいことだと思います」。
中高は名門の桜蔭に通った。進学校ゆえに部活動よりも大学受験を重視する風潮があり、部活動に全力を注げなかったことが心残りだ。「私、その頃から熱い性格なんです(笑)。バレーボール部に所属していたんですけど、チームメイトは練習熱心とは言えず、弱小でした。それこそ『ハイキュー!!』の世界に憧れていましたね(笑)。熱い勝負ができなかったという学生時代の後悔の気持ちはどこかにあると思います」と振り返る。
朝比奈の話を聞けば聞くほど、Mリーグというチーム戦に向いている性格に感じる。それを本人にぶつけると、「めっちゃ向いていると思います」と笑った。「世界麻雀の時にチーム戦を経験して、すごく楽しいと思いました。あの時からより“Mリーグの舞台で戦いたい”という気持ちが強まりました」。

