あの一言で初めて気づいたこと
ある夜、ソファに並んで座っているとき、彼女がさっき送ってきたメッセージの内容について俺は「あ、見た見た」と言いました。いつもと同じ調子でした。
「読んでるなら何か返してよ」
彼女の声は落ち着いていましたが、目は笑っていませんでした。俺は一瞬口ごもって、「返してるつもりだった」と答えました。
「してないよ。メッセージでは1回も」
その一言で、俺はようやく気づきました。俺はメッセージの「外」で返し続けていた。予約を取り、シュークリームを買い、計画を立てて。でも彼女が見ていたのはチャットの画面のほうで、そこにはなにも映っていなかったのだと。
そして...
俺はスマホを手に取って、検索履歴を彼女に見せました。彼女が送ってくれた店や場所を、全部調べていた記録です。彼女はその画面に目を落として、小さくうなずきました。
でも、それで済んだとは思っていません。次の日、俺は彼女にメッセージを打ちました。たった一言、「おはよう」
慣れない指で送信ボタンを押すまでに、ずいぶん時間がかかりました。
(20代男性・施工管理)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
