●相談件数は3年で16倍
近年、大人の発達障害への関心が高まっており、信州大学が行った調査によれば、発達障害と診断された人はこの10年間で21.1倍に増加している。
その中でもとりわけ深刻化しているのが、「片付けられない」という悩みであり、発達障害やADHDの特性を持つ人の中にはモノの管理や整理整頓が苦手な人も多く、何度片付けてもすぐに散らかってしまうため、日常生活に支障をきたすケースが少なくない。
チェンジグロウが運営する整理収納コミュニティでは、発達障害やADHDの特性によって「片付けられない」と悩む女性を対象にした、整理収納サポートサービスを提供しており、近年は40~50代の女性を中心に相談が増加傾向にあり、相談件数は3年で16倍に達している。
具体的には、「洗濯物はたたんだまま積み上がり、子どものおもちゃや書類も増え続け、家族を家に呼べない状態でした。片付けが原因で夫婦喧嘩が増え、離婚を考えるほど悩んでいた」「ダイニングテーブル、床など平らな場所がすべて物置になり、仕事の書類やレシートも積み重なって探し物に毎日30分以上かかっていました。発達障害の特性かもしれないと知り相談しました」といった相談が寄せられているという。
そこで同社は、「片付けられない」悩みを支援すべく、片付けが苦手な人でも続けやすい「1日15分トレーニング」を提唱している。「1日15分トレーニング」では、15分間のタイマーをセットして、「食べっぱなし」「飲みっぱなし」「脱ぎっぱなし」「置きっぱなし」の4つだけを回収する。毎日続けることを優先して、15分経ったら途中でも終了する仕組みとなっている。
「1日15分トレーニング」を考案した、チェンジグロウの代表取締役である中田涼子氏はADHD当事者であり、40歳頃まで片付けに悩み続けた末に自力での改善を諦めて、整理収納を学んだ。その経験から、「片付けは気合いや根性ではなく、自分に合った方法を知ることが大切」と実感して、同トレーニングの開発に至った。現在は、講座や講演会などを通じて、累計2万5000人以上が「1日15分トレーニング」を受講しているという。
受講者からは、「娘の大学受験が近づいていたのに、子ども部屋を作ってあげることができませんでした。勉強に集中できる環境を作れず、娘は近所のおばあちゃんの家に泊まり込みで勉強していました。母親として申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、片付け方を学び、今では物の定位置が決まり、散らかってもすぐに元へ戻せるようになりました」といった声が寄せられている。

