1981年に『紅い伝説』でデビュー後、テレビドラマ化でも知られる『闇のパープル・アイ』や、『海の闇、月の影』など数々の名作を世に送り出し、今年ついに画業45周年を迎える漫画家・篠原千絵。その代表作『天は赤い河のほとり』(そらはあかいかわのほとり)が、篠原千絵作品初となる待望の初テレビアニメ化を果たし、日本テレビAnichU枠にて毎週火曜25:29、BS日テレにて毎週水曜24:00放送中です。(※放送時間は変更になる可能性がございます)
『天は赤い河のほとり』は、1995年~2002年「少女コミック(現「Sho-Comi」)」(小学館)で連載され絶大な人気を誇った歴史ファンタジー漫画で、累計発行部数は2,000万部超!(2026年1月時点、電子版含む)第46回小学館漫画賞少女部門を受賞したほか、2018年には宝塚歌劇団での舞台化もされ、今もなお世界で愛される少女漫画の金字塔です。監督は小林浩輔(「ワッチャプリマジ!」ほか)が務め、アニメーション制作をタツノコプロが手掛けます。
本作でユーリを演じている橘 美來さん、カイル・ムルシリを演じた加藤 渉さんにお話を伺いました。
──本作は古代オリエントを舞台にした壮大な物語であり、少女漫画界の金字塔とも言われている作品ですが、原作を読んだ時はどの様な印象を受けましたか?
橘:歴史物としての面白さもありますし、国同士の駆け引き、ユーリとカイルの恋の駆け引きもあり、色々な魅力があるなと感じました。ユーリが展開をかき乱していく姿がすごく愛おしくて「この子は今後どうなっていくんだろう?」とワクワクさせられました。ユーリを目で追うごとに物語にも惹き込まれていった感覚です。
今までこの作品のことを知らずに生きてきたのですが、長年この作品を愛していて魅力を発信している方がたくさんいることを知り、本当にすごい作品なんだなと思いました。先生にしか描けない独特の世界観や絵の美しさも魅力的ですよね。
加藤:僕もオーディションまで原作のことを知らなかったのですが、本当にたくさんの方に愛されているすごい作品なのだなと感じました。特にカイルは、読者の方それぞれに“カイル像”があると思うんですね。ただ、スタッフの皆さんが僕の芝居で良いとおっしゃってくれるのならば、特別に計算高くアプローチする必要は無いかなとも感じていて。ニュアンスや雰囲気についてディスカッションを重ねながら演じていました。
──台詞回しなど、難しい部分も多かったかと思います。
加藤:本当に固有名詞が難しいんです。カイルは第3皇子なんですけど、兄弟がたくさんいらっしゃるんですね。父親がシュッピルリウマさん。お兄さんがサリ・アルヌワンダさん。 ロイス・テリピヌさん。弟がザナンザ・ハットゥシリさん。ジュダ・ハスパスルピさん。これを全部流暢に喋らなければならないところに、さらに国名も難しいので大変でした。
橘:私はもともと歴史が苦手なこともあって、皇太后、皇帝陛下、皇子、側室などの意味もあまり知らないところから始まったので、まずそこを勉強することに苦労しました。でも、基本的にはユーリの心情に寄り添いながら演じて、その上で外れたりした時は、アドバイスやフォローをいただいていたので、そこは楽しかったです。
加藤:ユーリは“戸惑って良い”キャラクターなので、そこも面白いですよね。
橘:そういう部分で多分皆さんより気楽ですね。物語が進むにつれて、ユーリちゃんも環境に馴染んでいくので、難しい地名や人名が出てきた時は、「私言えるかな…」って震えながら挑んでいました。
──演じていくうちにキャラクターへの印象が変化していった部分や、役作りが変わっていった部分はありますか?
加藤:カイルがプレイボーイな一面を見せるところから物語が始まるので、オーディションの時に用意した「地声よりも低いところの声」を使わなくて良いのかな?と思っていたのですが、たちまちカイルが緊張感のある展開を迎えていくので、彼の抱える緊張感やストレスを演者としてもより感じるようになったというか、やっぱりシーンの切り替えとして声を重く作りたいなと思いました。そうすると喉にかなり負担がかかって、ベースの会話で低い声を使っているのに、叫んだ時に地声での高さになってしまうと、視聴者の方に違和感が発生してしまうかなとか、そういったバランスを考えることは難しかったです。
橘:私が感じたユーリを尊重していただきながら、その上でディレクションをいただいたので、最初の印象から変わりはありません。もちろんユーリも物語が進むにつれて成長していって、より芯の強いというか、意思とかも変わっていったりはしているのですが、ユーリの突き進む力みたいなものはずっと変わらずあるなと感じていました。
──お互いのお芝居にはどの様な魅力を感じましたか?
加藤:物語が進むとユーリが子どもをあやすようなシーンがあるのですが、そこまでの収録の過程を経た橘さんだからこその抱擁力のようなものを感じました。ずっとユーリを演じていることが最後に結実しているというか。
橘:加藤さんは本当に作品に真摯に向き合っていて、自分がカイルとしているための努力は怠らないというか、たくさん考えて、勉強して、自分に落とし込んで演じられている姿をずっと横で見ていたので。
加藤:あと、あえて距離をとったりしていましたよね。
橘:心が離れた時に遠くに座りましょうって話していましたね。
加藤:序盤のうちは隣に座らせていただきましたが、さすがに隣に座ったまま心情の距離感を演じるのは違うような気がすると思って。離れてみたり。
橘:そういった演じる上での環境作りもそうですし、様々な面で作品に対しての向き合い方が素敵な方だなと思いました。カイルも色々なことを考えて行動しているので、そんなカイルと加藤さんが重なる部分があるなと感じていました。
加藤:そういっていただけて嬉しいです。ありがとうございます。
──引き続き放送を楽しみにしています。今日はお話をありがとうございました。
©篠原千絵/小学館/アニメ「天は赤い河のほとり」製作委員会
