戻ってきたものと、戻らないもの
電話の向こうで彼が話したのは、共通の友人から届いたという1枚の写真のことでした。私が別の男性と身を寄せて食事をしている写真です。写っているのは、久しぶりに地元から出てきた兄だと伝えると、彼はしばらく言葉を失っていました。確かめもせず、私を疑って、自分から幕を引こうとしたのだと。しきりに謝る声を聞きながら、私はどこか遠くで聞いているような気持ちでした。信じてもらえなかったこと、話し合いもせずに消されようとしたことは、謝罪だけでは元に戻らないものでした。
そして...
私たちは、別れずに付き合いを続けることになりました。彼のSNSには新しい投稿が少しずつ増えて、消えた場所を埋めるように並んでいます。けれど、一番楽しかった旅行の日の写真だけは、彼のスマホには残っていても、もうどこにも公開されることはありません。あの日の彼を前のようには信じきれない自分も、しばらくは隣にいるのだと思います。しかし、それでもまだ一緒にいたい。今はそう思っています。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
