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窪塚洋介インタビュー『次元を超える』 役者は芝居で夢を見る

窪塚洋介インタビュー『次元を超える』 役者は芝居で夢を見る

役者は夢見て次元を超える

——窪塚さんの思う、次元の超え方を教えてください。

何通りか答え方はあるかなと思うけど‥‥まず、アインシュタインの”奇跡なんて起きないと思う生き方か、すべてが奇跡と思う生き方か”っていうロジックでいうと、”常に次元を超えていると思うか?”っていうことかな。今日もこの場所でこうやって話すことによって、次元を超えているって言い方もある。というのが、ひとつ。もうひとつは、昭和的な言い方だと、気合と根性で超えなきゃいけないときがある。例えば、俺ら役者だったらカチンコが鳴って芝居に入るとき、この現実の世界からあっち側の世界に飛び込んでいく感覚が、次元を超えている。俺らは日常的に次元を超える必要のある仕事ではあるかもしれないけど。

——お芝居をすることで、非現実世界という違う次元に行くという言い方もあるかもしれないですね。

そうですね。そういえば、この間すごく面白かったことがあって。俺の脳波を測定したいっていう人がいて取ってもらったんです。普通に測定して、系統立てたら「こういうタイプの人ですね」って言われたんです。その後、「演技しているときの脳波も取らせてください」って言うから、『全員切腹』の動画を見て自分の演じた侍役のセリフを回しながら脳波測定したんです。もちろん撮影当時の感じじゃないんだけど、ちょっと没入して、その芝居の入り口ぐらいまでは実際に演技を行っている感じになって。もうその時点で脳波が、さっきのものと全然違って、「侍タイプの脳波になっている」と。さらに面白かったのが、夢を見ているときの脳波もずっと出ていると。

結果的に、サラリーマンの役をやったら、脳波はサラリーマンタイプの脳波になる。でも、夢を見ているときの脳波もある。演技をしているときの役の脳波と、夢を見ているときの脳波が出ているっていうんですよ。夢の向こう側で仕事しているみたいな。それってめちゃくちゃ面白いなと思って、今度インタビューで言おうと思ってたんだけど、これが最初に話したインタビューですよ (笑) 。

——最後に、これからこの作品を観る皆さんへのメッセージをお願いします。

観るっていうか、乗り込む。この豊田ロケットに乗り込んでもらって、この映画を体感、体験してもらう、という感じなのかな。昨今観られないタイプの映画だと思うし、”何を観せられたんだ?”っていう感がすごくある。それを頭で解釈する、心で解釈する。方法は観る人に任せるけど、理解できる、できないは置いておいて、この『次元を超える』というロケットに乗ったら宇宙まで行くから、みんな行ってみてほしいと思います。

映画が公開されるのにあわせて、シリーズ前3作がサブスクで解禁される予定なので、まず、シリーズを通して観てもらってから、この『次元を超える』が観られるようになると思うんですよ。そこも踏まえて、この作品を劇場体験して、楽しんでもらえたらなと思います。

取材・文 / 小倉靖史
撮影 / 曽我美芽
ヘアメイク / 佐藤修司(botanica make hair)

映画『次元を超える』

孤高の修行者・山中狼介は、危険な宗教家・阿闍梨の家で行方不明になる。一方、謎の暗殺者・新野風は、狼介の彼女・野々花から捜索を依頼される。やがて、狼介と新野は法螺貝に導かれて狼蘇山で対面し、次元を超えて鏡の洞窟で対峙する。

監督・脚本:豊田利晃

出演:窪塚洋介、松田龍平、千原ジュニア、芋生悠、渋川清彦、東出昌大、板尾創路、祷キララ、窪塚愛流(声の出演)、飯田団紅、マメ山田

配給:スターサンズ

©次元超越体/DIMENSIONS

2025年10月17日(金)よりユーロスペースほか全国順次公開

公式サイト jigen

VODサービス jigen.mish.tv

配信元: otocoto

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