思いがけない、あの子の言葉
その日も、私は新しく覚えた料理を娘の皿に取り分けていました。おいしいと言ってくれるのがうれしくて、それでも心のどこかは晴れませんでした。すると娘が、「お母さんのからあげ、また食べたいな。」と言いました。私は取り分けるのをやめました。てっきり、もうあの味には飽きたのだと思い込んでいました。「なんだ。作らないほうがいいのかと思ってた。」と、気づけばそう口にしていました。ずっと1人で決めつけて、あの子に聞くことすらしていなかったのだと、そのとき思い知りました。
そして...
あの封を切れなかった鶏もも肉は、次に娘が帰る日にからあげにするつもりです。隣で下ごしらえを教えてほしいと、娘は言ってくれました。同じ味を守り続けてもよかったのだと、今は思えるようになりました。
(60代女性・主婦)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
