永田町の水面下で、高市早苗首相と麻生太郎副総裁のバトルが熾烈化し始めている。その不穏な兆しが表面化し始めたのは、今から少し前の6月下旬のことだ。
当初、連立を組む日本維新の会のメイン政策である「衆院定数削減」と「副首都構想」関連法案を成立させようとする、高市早苗首相の鼻息は荒かった。ところが首相指示の下、6月29日に衆議院で審議入りした同法案に野党が猛反発。審議拒否で国会は空転した。
ただ、この際反対に回ったのは野党だけではなかったのである。
「自民党内も不満分子が高市氏の指示に歯止めを掛けようとしていた。その筆頭が麻生太郎副総裁だ」とは政治担当記者の弁だ。
麻生の「最後の大仕事」は皇室典範改正
「85歳の麻生氏は皇室典範改正こそ政治家として最後の大仕事と位置付けていた。そのため、衆議院で自民党が圧倒的多数を占める今、『男系男子』皇位継承に向け皇室典範を変えるラストチャンスと捉えていた。だから野党が猛反対する衆院定数削減法案より先に皇室典範改正法案を成立させたかったのです」(同)
もともと、麻生氏は維新よりも国民民主党と連立政権を組みたいのが本音。国民民主幹部らとも度々密会を重ね、6月25日夜にも、麻生氏、鈴木俊一幹事長、国民からは玉木雄一代表、榛葉賀津也幹事長らが都内のホテルで密談している。
「高市氏は首相になれた恩義を維新に抱いている。そのため皇室典範改正に先駆け、“衆院定数削減と副首都法案を強行突破してでもやり遂げろ”と衆院議院運営委員会の村井英樹・与党筆頭理事らに発破をかけていたほどでした」(自民党関係者)
インド訪問の隙を突いた麻生の極秘指令
この流れを麻生氏らが巻き返し、7月1日~3日までの高市首相のインド訪問の隙を突き、「鬼の居ぬ間、高市の居ぬ間に外堀を埋めよ」との極秘指令が飛んだという。
「高市氏のインド訪問中、麻生氏は側近の森英介衆院議長を通じ、皇室典範改正審議を最優先に国会正常化を根回しした。インドでその報を受けた高市氏は、茫然としたそうだ」(同)
かくして高市氏は衆院定数削減法案成立を断念、先送りするしかなかったのである。
