弓、馬、剣、鉄炮――。2026年アジア競技大会開催の名古屋で、武士たちが励み、現代のスポーツの礎ともなった「武芸」に迫る特別展が開催される。武士にとって武芸は、戦うための技術であるだけではなかった。弓術、馬術、剣術、鎗術、炮術、鷹狩――。日々鍛錬を積み、心身を磨き、技を競い合う姿は、まさに現代のアスリートそのものである。アジア競技大会、アジアパラ競技大会が開催される2026年、本展は「武士×アスリート」という新たな視点から、日本の伝統文化である「武芸」を紹介する。
見どころ1.「戦うサムライ」から「鍛えるサムライ」へ

武士にとって武芸とは、戦場で敵と戦うためだけの技術ではなかった。江戸時代になると、平和な時代の中で武芸は礼法や精神修養として磨かれ、武士の教養として受け継がれた。また、『太平記』などの戦記物語が読まれる中、それを絵画化した合戦図が教育に使われ、合戦そのものを研究する「軍学」も誕生した。
本展では、弓術・馬術・鎗術・剣術・炮術・鷹狩など、多彩な武芸を一堂に紹介し、尾張徳川家に伝えられた武家文化の奥深さを展示する。




見どころ2.尾張徳川家に伝わる武芸の世界
戦国時代に発展した各種武芸は、江戸時代の武家社会の中でさらに発展を遂げ、尾張徳川家においても多くの家臣が鍛錬に励んだ。家臣たちの鍛錬の成果は当主上覧の場で披露され、優れた技量を持つ者には褒美が与えられ、個人のみならず家の名誉として後世に伝えられた。
技を磨き、成果を披露し、称えられる――。武士たちの武芸上覧は、現代のスポーツ大会にも通じる「サムライの晴れ舞台」であった。



