
「映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション」が7月31日(金)より、全国で上映が開始される。
物語を導く重要なキャラクターで、九尾の狐の妖怪・やこの声優を務める伊藤沙莉に、WEBザテレビジョンでインタビューを実施、作品への思いをたっぷりと語ってもらった。
■映画は「“心のモード”によって見分ける」
――出演が決定した際、「芸能生活23年目にしてようやくたどり着いた幸福の地」とコメントされていましたね。改めてオファーを受けた瞬間の率直なお気持ちをお聞かせください。
うれしすぎて、飛び上がりました! 正直、好きすぎて気まずいくらい(笑)。自分でも、人格の半分くらいは“クレヨンしんちゃん”で形成されているなと思うところがあって、笑いのツボも、しんちゃんで育ったようなものなんです。
人生になくてはならない作品に携われることは、この仕事をやっていて本当に良かったと思える出来事でした。
――昔から「クレヨンしんちゃん」がお好きとのことですが、特に好きなキャラクターや、思い出深い劇場版作品があれば教えてください。
野原一家はもちろんですけど、幼稚園のメンバーも大好き。映画は、笑いたい時は絶対「嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード」を見ます。
泣きたい時には「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」や「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」、「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」、無心で楽しみたい時は「暗黒タマタマ大追跡」と、その時の“心のモード”によって見分けるのが私のスタイルです。
一つに絞るのは……本当に難しいですね(笑)。
■やことの共通点は「童心」
――今回演じられた「やこ」は、しんちゃんを導く九尾の狐の妖怪という役どころ。彼女の第一印象や、演じる上で特に意識した点はありますか?
ルックスがすごくかわいかったので、最初は「私の声で大丈夫かな?」と(笑)。でも、500年も生きていて、みんなから“姉さん”と慕われている存在だと聞き、少しどっしり構えた方がいいのかなと考えました。
かわいさやカッコよさの何かに振り切るのではなく、監督とも相談して、いろんな感情が混ざった“複雑な音”になるよう意識して声を吹き込みましたね。
――人間味を感じる部分や、ご自身とやこちゃんで「ここが似ているな」と共感できるポイントは?
彼女は芯が強くて、新しい道を切り開こうとする情熱的な人。でも実は好奇心旺盛で、知るための努力を惜しまない“童心”のようなものも持っているんです。そこは私自身もすごく共感できます。
私も気になることがあると、とことん情報を収集するタイプで(笑)。三日坊主なところはありますけど、手を出すなら徹底的に調べたいタイプなんです。
■ファンだからこそ「正気を保つのに必死」
――実際にしんのすけ(CV:小林由美子さん)を始め、野原一家とのかけ合いをしてみていかがでしたか?
もう…耳元で野原一家の声が流れてくること自体が、私にとっては夢みたいな体験でした! でも、ファンだからこそ、普通でいなきゃいけないのが一番大変だったんです…普通なら笑ったり泣いたりして見入っちゃうシーンでも、私は演者としてそこにいなきゃいけない。その“ファン心理との戦い”が今回の最大の難関でした(笑)。
――好きだからこそ、客観的に見てしまう部分がありますよね。何かアフレコ現場での印象的なエピソードは?
ひろし(とーちゃん)のシーンですね。しんちゃんが「とーちゃん!」って呼んだ瞬間、ひろしがすでに例の“靴下の妖怪”になっていて(笑)。そのままベロンって感じで振り返るんですけど、それがもう面白すぎて…!
そこが本当にツボに入っちゃって「もしかして私、NG出しちゃったかな?」って心配になるくらい笑い転げてしまって(笑)。野原一家のあの独特の空気感や、間近で聞く小林さんのしんちゃんボイスに、つい反応してしまいました。
ファン冥利に尽きる現場でしたが、仕事として正気を保つのに必死でしたね。
■仕事で泳ぎを克服「資格を取りました」
――劇中では野原一家の熱い絆が描かれていますが、ご自身の家族との絆を感じるような「夏の思い出」は?
海に行ったことかなぁ。家族みんな海が大好きで、小さい頃は朝起きたらもう砂浜にいる、みたいな生活でした(笑)。実はずっと泳げなかったんですけど、最近仕事で克服してダイビングの資格も取ったんです。昨年は宮古島でウミガメと一緒に泳ぎました!
あとは、地元のお祭りでねじり鉢巻きをして、兄弟でみこしを担いでいたのも賑やかな我が家らしい思い出です。
■ラーメン店での恐怖体験「何者だったんでしょう」
――伊藤さんの人生の中で『不思議な体験』や『怖かった体験』を経験したことはありますか?
最近、撮影で熱海に行った時、すごく行列ができる有名なラーメン店にお昼休みに行こうってなって。マネージャーさんと1時間くらい並んだんです。
私たちは2巡目の先頭くらいで並んでいたんですけど、しばらくすると『1巡目』のお客さんたちが食べ終わって、ガラガラって扉を開けて出てきたんですね。その中の一人の人が、私たちの横を通ってどこかへ歩いて消えていくのをしっかり見たんです。「あ、回転早いかもね」なんて話しながら。
それで、ようやく自分たちの番が来て、店内の待ち合い席に座ってパッと顔を上げたら…さっき出て行ったはずのその人が、席に座っていたんです!
――出て行ったはずの人が、店内にいたと…?
「え、どういうこと!?」ってパニックですよ(笑)。私たちは入り口のすぐ外に並んでいたし、その間一度も扉は開いていないし、誰も中に入っていないんです。しかも、その人はラーメンを2杯も頼んでいて、まだ1杯目も届いていない状態。
――さっき外に出て行った“あの人”は一体誰だったの?っていうことですよね。
そうなんです。マネージャーさんと二人で「今の、同じ人だったよね?服も一緒だよね?」って顔を見合わせて、本当にゾッとしました。
私、実はこれまでに何度か“見ちゃいけないもの”を見た経験はあるんですけど、今回のは物理的にありえなさすぎて一番怖かったかも…。でも、結局その後に食べたラーメンがすごく美味しくて(笑)。
「まぁ、食べているからお化けじゃないか!」って、美味しさのあまり恐怖を忘れちゃいました。今思い出しても、本当に不思議で…あのお客さん、何者だったんでしょうね(笑)。
■今年のしんちゃんは「絆の描き方が絶妙」
――最後に、伊藤さんが個人的に「ここが一番のお気に入り!」と思うシーンや見どころを教えてください。
やっぱり“野原一家の見せ方”ですね。しんちゃんらしいおバカで笑えるシーンはもちろん健在なんですけど、家族の絆の描き方が本当に絶妙なんです。
なんて言うんだろう…今の作品なんですけど、どこか自分が子供の頃に夢中で観ていた「あの頃のしんちゃん」を彷彿とさせるような、懐かしくて熱い感覚になれるシーンがあるんです。そこがもう、本当にうまいなぁって。
大人の方なら、きっとこの「あ、これこれ! これが見たかったんだ!」っていう興奮を分かっていただけるはず。子供が楽しめるのはもちろんですが、かつて子供だった大人の心も激しく揺さぶるような、不思議なパワーがある作品になっています。
劇場で観る時は、ぜひ野原一家の熱い共闘と、その絆の見せ方に注目してほしいです!
◆ヘア&メーク=岡澤愛子/スタイリスト=吉田あかね

