顔に傷を付けて選抜を逃れる女性たちも
かつての北朝鮮で喜び組に選ばれることは、「人生の大逆転」を意味した。選抜されれば、本人だけでなく家族にも恩恵が及び、平壌居住権や食糧配給、就職・進学での優遇が受けられたからだ。
しかし、現在の北朝鮮で若い女性が目指すのは、美容師や化粧品販売員、外貨を扱う商店の店員、そして市場で成功する商人だ。つまり、重要視されるのは独裁国家から優遇を受ける「肩書」ではなく、「金持ち」なのである。
「美女やその家族は、喜び組に選抜されることを極度に恐れ、故意に顔に傷を付けたり、親が早々に結婚させたりする風潮が全国に蔓延し始めました。国家が将来を保証しなくなった社会で、女性たちは党の評価より、現金収入を重視するようになったのです」(国際ジャーナリスト)
日本製品が核開発資金に化ける密輸の実態
最近、首都・平壌では大きな変化が起きている。それを象徴するのが、北朝鮮の最先端デパートやショッピングモールに並ぶ、日本の食文化を代表する「テイクアウト寿司」や「しめさば」、コメ不足なのに日本製炊飯器などだ。しかも、北朝鮮の人々はクレジットカードで支払うという。
「中国東北部の大都市に正規ルートで輸出された日本製品を、北朝鮮の特権階級と結びついたダミー会社が仕入れて、北国内の店頭に並べているというわけです。日本企業は知らぬ間に北朝鮮の"密輸ルート"に加担し、その結果、日本全土を狙う核・ミサイルの開発資金に化けているのです」(同)
一見、北朝鮮社会はコンプライアンスを度外視した喜び組が廃れ、ぜいたく品の恩恵を享受しているかのように映る。だが、西側社会の技術や文化、価値観の浸透は確実に深く静かに進んでいる。
金王朝の崩壊の序曲が始まっている可能性も否定できないのだ。
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