やっかいな元カレ
彼と別れてからの3年間、私は彼のいない生活に慣れてきたつもりでした。部屋も変え、休日の過ごし方も変えました。最近は職場にいい感じの人もいます。それでも、画面に並んだ名前を見た瞬間、気持ちは簡単に揺れました。よりを戻したいのか、謝りたいのか、それとも私が勝手に意味を探しているだけなのか。迷った末に、私は会うことにしました。
カフェで彼が差し出した小さなケース
休日の午後、待ち合わせたカフェに行くと、彼は窓際の席に座っていました。記憶より少し落ち着いた雰囲気になっていましたが、緊張しているのは伝わってきました。近況を短く話したあと、彼は鞄から小さなアクセサリーケースを取り出しました。ふたを開ける前から、中身はわかっていました。
「まだ持っていたの?」と、私は思わず口にしました。彼は少し困ったように笑い、長い間そのままにしていたことを謝りました。なぜ今なのか、と聞こうとした私に、彼はテーブルの端に置いていた茶色い封筒を寄せました。
「今じゃなくて、あとで読んでほしい」
そう言って、彼は会計伝票を持って立ち上がりました。
