通知欄を閉じるまで
また同期からの新しいメッセージが並んでいるのを、片付けかけのおもちゃ箱の上で見ました。私は同期の名前からの通知を切り、既読をつけないままにしました。学生時代のノリに乗って会いに行けた頃の私と、家庭を持つ今の私では、書ける文章のかたちが違うのです。ミュートにした画面の光が、おもちゃ箱の底に散らばったブロックを照らしていました。
そして...
そして、私は同期の名前を、トーク画面の一覧から横にスワイプして畳みました。学生時代の友情は変わらないと信じていましたが、それと連絡の距離感が変わらないことは、同じではありませんでした。相手も同じ場所で立ち止まってくれるかは、私にはわかりません。それでも、入力欄をいったん閉じて、私はリビングのおもちゃ箱に手を戻しました。
(30代女性・専業主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
