既読を待った駅前
居酒屋を出た駅前で、俺はSNSで半年前につながり直した大学の同期にメッセージを送ることにしました。二次会に行く気にもならず、学生時代のノリのまま、「今なにしてる?」の一言だけ打ちました。あの頃なら、これで場所と時間を決めて集まっていたはずです。同期が結婚したことは近況を送り合う中で聞いていました。それでも、家庭のある人にどう連絡すればいいのか、俺には見えていなかったのです。送信ボタンをタップして、俺は既読のマークがつくのを待ちました。
気軽なつもりが浮いた瞬間
翌日、返事は来ないままで、俺は「明日空いてる?」と追い打ちのように送りました。学生時代の癖で、用件を先にきっちり書いてしまうほうが、むしろ相手には窮屈だろうと思っていたのです。その日のうちに駅前で会えるかもしれないと軽く思って、「駅前来れる?」の3通目も送信しました。既読のマークはいつまでたっても、画面につきません。俺の当たり前だった連絡の距離感が、この人には合っていないのだと、気づきかけた瞬間でした。
