「久しぶり」の距離感
会社の同期の結婚式の2次会で、会いたくない人と目が合いました。付き合っていた彼が、同じ招待客として来ていたのです。3年前に別れて、それきり連絡は取っていませんでした。「久しぶり」と挨拶を交わし、それぞれ別のテーブルに座りました。乾杯のグラスを持つ手元もそわそわして、隣の同期の話が半分しか耳に入りません。
見覚えのある、あの形
歓談の時間になり、彼が椅子の背にかけたかばんが私の視界に入りました。側面のフックに、木彫りの鹿のキーホルダーが揺れています。色が褪せて、角の先が少しだけ欠けているそれは、高校生のときに温泉街で買った私のものと同じでした。付き合っていた頃、確かにかばんにつけていたはずで、なくしたと思っていたものです。元カレのものなのかとも思いましたが、私のものな気がしました。
