2年前に自分から消したはずの、名前だった
その通知が2年前に自分から連絡先を消した相手のものだと気づいたあと、俺は椅子に座り直しました。同棲を解消したとき、俺は自分の中の情けなさから逃げるように、彼女に「もう1度、自分で自分を立て直す時間がほしい」と告げていました。それを受け入れて、彼女は慎重に引いてくれたのでした。
返信を打っては消す、その繰り返しの数日間
彼女のメッセージは短くて、丁寧で、あの頃と少しだけ違いました。
「久しぶり。もし迷惑じゃなかったら、1度だけ会って話したいの」
俺はメッセージ欄を開いて、「元気にしてる」と打ち込みました。次に、その言葉を全部消して、「久しぶり」と打ち直しました。それも消して、結局、そこは空欄のまま何日も日が過ぎていきました。
