・ついに咲いた!
家に帰ると、とんでもない香りが部屋中に漂っていたのである。(5月13日)
噂には聞いていた。「ドラセナの花は香りが強い」と。
「これか!」と思った。自分の中では、ちょっとした異臭騒ぎ。
たしかにものすごく香る。でも嫌な匂いではない。
どんな香りかというと……百合を何倍にも濃縮したような香りだ。
もし普通の百合がポケモンだとしたら、レベル100まで育てきって最終進化した百合。それがドラセナの花の香り、とでも言えば伝わるだろうか。
あとで調べてみると、ドラセナは花を咲かせるのにものすごいエネルギーを使うらしく、その後に調子を崩してしまうことも多いという。
「そんなに無理しなくていいのに……」
私はそう思った。
それでもドラセナは、どうしても花を咲かせたかったらしい。
・夜にだけ魅せる姿
ちなみにドラセナの花が咲くのは、夜のみ。
昼の間、花は閉じていて、香りもしない。夜になるとブワワワッと咲き乱れ、フェロモンにも似た強い香りを放つのだ。
その姿やタイミングは、妖艶かつ、ロマンチック。いや、エロティックですらあった。
「私は、生きている」
そう言っているかのような、生命力に満ち溢れたふるまいだった。
