見栄えを優先して押し切った1冊
旅行から1ヶ月、私は仕事の合間に写真を整理していました。彼女がたくさん写真を取ってくれていて、あまり写っている写真がなかったのも事実です。ですが、デザインの仕事をしている手前、見栄えのいい1冊にしたい気持ちもありました。
フォルダには私ともう1人の笑顔が並んでいたのです。石垣の前で並ぶ2人組のカットも、市場で果物を分け合う瞬間も、私たちがそろって綺麗に写った写真ばかりでした。この写真たちを全部アルバムにいれたいと私は考え、彼女の姿がほとんど入らないことは分かっていながら、盛れている写真を優先したのです。
アルバムを渡す
カフェに現れた彼女は、包みを見て素直に喜んでくれました。「アルバム、できたよ」と差し出すと、「ありがとう、うれしい」と返してくれます。中を開かずに受け取ってくれたので、私は特に説明を添えずに終わりました。
話題は共通の知人の近況に流れて、そのままお開きになったのです。家に戻ってからグループチャットを見ると、もう1人の友人から「私も届いた!最高だね」と絵文字つきの返信が来ていて、彼女からは「アルバムありがとう。丁寧に作ってくれてうれしい」と、短いメッセージだけが届いていました。温度差に少し引っかかったのですが、忙しい時期だし、こんなものかと片付けました。
