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2時間超えの熱戦で左足負傷、目には涙…「多くのことが起こった」ジャパンOP2回戦で大坂なおみが執念の勝利 <SMASH>

2時間超えの熱戦で左足負傷、目には涙…「多くのことが起こった」ジャパンOP2回戦で大坂なおみが執念の勝利 <SMASH>

2本連続エースの幕明けに、地元大阪市のファンは、喜びと驚きの混じる声を漏らす。

 対して相手は、2本連続ダブルフォールトでのサービスゲームスタートとなった。「木下グループジャパンオープンテニス女子」のシングルス2回戦、大坂なおみ(世界ランキング16位)対スーザン・ラメンス(オランダ/同57位)。

 ラメンスは昨年の同大会優勝者ながら、今年6月の初対戦時では大坂が6-2、6-2で快勝している。そして今回の再戦でも、大坂が8ポイント連取で、2ゲームを奪取。

 どうやら大坂が、圧勝しそうだ――そのような期待が膨れると共に、緊張感は薄れていった。

 そのやや弛緩した空気感が一変するのに、さほど時間は要さない。直後のゲームでブレークを許した大坂は、相手に4ゲーム連取を許したのだ。ラメンスはサービスの威力こそないが、時速120キロ台のセカンドサービスに、大坂はむしろタイミングをつかみあぐねる。バックサイドを丹念に、異なる球種で突いてくる戦略にも、大坂はリズムを乱された。

 それでもゲームカウント3-5と後がなくなったところから、心とプレーを引き締める。高速サービスで自身のゲームをキープすると、リターンで圧力をかけブレークバックで追いつく。もつれ込んだタイブレークでも、一進一退の攻防を競り勝った。
  これで大坂が加速し、一気に勝利まで走るかに思われた第2セット。だがラメンスのプレーレベルや集中力は、全く落ちる気配を見せない。大坂がフォアの強打でコーナーに振っても、より鋭角にランニングショットが返ってくる。相手のショットがライン際を捉えるたび、大坂はその事実が受け入れられないといった風情で、コーチングボックスに視線を送る。

「正直に言うと、彼女(ラメンス)は私が予想していたよりはるかに良いプレーをしていた」と、大坂が述懐する。

「日頃から、相手から何かを期待してはいけないと心掛けているけれど、それでも今日の彼女は、本当に良いプレーをした」

 戦前に、あるいは試合途中で抱いたイメージと、実際に飛んでくるボールとの乖離。「感情を制御するのが、今日はとても難しかった」と認める大坂は、目に見えて落胆し、ボールを追わず見送る場面も。後に大坂はファンに向け、「良くない態度を見せてしまって、ごめんなさい」と詫びている。第2セットは前年優勝者のラメンスが、6-3で手堅くものにした。 第3セットも、大坂の劣勢の立ち上がり。最初のサービスゲームで、相手の連続ブレークポイントの窮地に立たされた。そうして結果として、この危機を凌いだことで、潮目は大きく変わる。特に30-40の場面で叩き込んだエースが、大坂の気持ちにも火を付けただろう。4ポイント連取でキープすると、続くゲームはデュースの末にブレークに成功。そこからは電車道で5ゲーム連取。勝利まで2ポイントにまで迫った。

 ところが......この場面で大坂は、切り返しボールを追おうとした途端に、小さく飛び上がり足を引きずった。その場で左足に手を添え立ち尽くす大坂は、トレーナーを要求する。左太ももにテーピングを巻きコートに戻ってきた大坂だが、動きは明らかにそれまでと同じではない。左足で踏ん張れないためか、特にバックのショットが制御を欠く。2ゲーム連続で落とし、ゲームカウントは5-2。まだリードしているも、試合の行方は混とんとした。

 ただ勝利を意識したか、相手も次のゲームでいきなりのダブルフォールト。ここを勝機と見ただろうか、大坂はやや足を引きずりながらもコートを駆け、相手を走らせ、ミスを誘いリードを奪う。最後も激しい打ち合いで相手を押し込み、最後は渾身のバックでウイナー。「多くのことが起きた」と振り返る2時間19分の熱闘を勝ち切った時、大坂は目元を拭った。
 「多くの感情が押し寄せてきた中での試合だった」というその訳は、次の日が28回目の誕生日であり、その日を愛娘と共に、自身が生まれた町で過ごすことへの思い入れもあっただろう。

「第3セットはただひたすら、悔いのないよう全力を尽くした。足のケガに見舞われたのは不運だったし、時間が経つにつれ悪化するようにも感じた」

 会見で試合を振り返る彼女は、ファンの後押しに感謝するとともに、「ホームでもあるこの会場に足を運んでくれた人たちに、良いプレーを見せたかった」と静かに言った。
 
 不幸中の幸いは、誕生日でもある16日に試合はなく、3回戦まで中1日空くこと。

「次の試合までに良くなっていてほしい。私は、回復が早い方だから......」

 自身に説くように言ったこの言葉が、現実となることをホームのファンも切望している。

取材・文●内田暁

【動画】大坂VSラメンスのジャパンOP2回戦ハイライト

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配信元: THE DIGEST

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