
森保Jに衝撃敗戦…現地記者に訊くブラジル国内のリアルな空気感。そもそもどれほど注目されていたのか「日本の力をまだ認めていない」「韓国戦よりは注目されていた」
森保一監督が率いる日本代表は10月14日、国際親善試合でブラジル代表と東京スタジアムで対戦。3-2で激闘を制し、過去11敗2分(5得点35失点)と大の苦手にしていたサッカー王国を史上初めて下した。
鮮やかな逆転劇だった。26分にパウロ・エンリケ、32分にガブリエウ・マルチネッリに被弾し、0-2で折り返すも、後半に怒涛の猛反撃。52分に南野拓実、62分に中村敬斗、71分に上田綺世が得点し、見事に歴史的勝利を掴んだ。
日本サッカーを熟知するブラジル人記者、チアゴ・ボンテンポ氏はこの一戦をどう受け止めているのか。サンパウロと東京を繋いだインタビューで、非常に興味深い事実を語ってくれた。
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――今年8月にインタビューをした際に、「昔は日本とブラジルでレベルの差がありすぎたけど、今はブラジルが少し落ちて、日本が少し高めて、1番近くなった」と話していましたね。ただその後、日本はメキシコ、パラグアイと引き分け、アメリカに敗れて3戦未勝利のなかで、率直にどんなスコア展開になると予想していましたか?
「1-1ぐらいだろうと思っていました。ブラジルは北中米W杯の南米予選ですごく苦労して、監督もたくさん代わりました。カルロ・アンチェロッティ監督が来てから久しぶりに調子が良くなりましたが、韓国戦(5-0)のように簡単な試合の後に同じ調子を続けるのは簡単ではありません。少し調子が落ちたり、選手たちが自信過剰になることもよくあります。
一方で、日本の選手にとっては、ブラジルという強敵と戦うことがモチベーションになるでしょう。前のカタールW杯で、誰も勝つと予想しなかったドイツやスペインに勝ったようにね。逆に、誰もが勝つと予想したコスタリカ戦では、プレッシャーからか良いパフォーマンスができませんでした。
だから今回は、日本にチャンスがあるかな、引き分けだったら良い結果だと考えていましたね」
――日本が金星を挙げたわけですが、ブラジル国内での反応や雰囲気はどうでしたか?
「ほとんどの人は、ブラジル人選手のミスについて話していました。『あのセンターバックのせいだ』『あのゴールキーパーのせいだ』と。日本の力をまだ認めていない気がします。
ブラジルの放送でも、解説者は日本代表の情報をあまり知りませんでした。例えば、多くの怪我人がいることや三笘薫の欠場など、詳しい解説がありませんでした。そのため、多くのブラジル人は、怪我人が復帰すれば日本はさらに強くなる事実を知りません。『これが日本の100%の力だ』と思ったかもしれません。
試合後の反応は、『アンチェロッティがここからどうやってW杯のメンバーを作るのか』『この選手とこの選手はもうダメだ』といったものばかりでした」
――そもそもブラジル国内で、日本戦はどれほど注目されていたのでしょうか?
「多分、韓国戦よりは注目されていました。ただ、日本が強い相手だと思っている人はまだ少ないと思います。コメントを見ても『日本にはブラジルが絶対勝つべきだ』というものが多かったです。『日本が同じレベルで戦える』というコメントも見ましたが、少なかったですね」
――4日前に行なわれた韓国戦よりも注目されていたのは、なぜでしょうか?
「おそらく、前のW杯で韓国と戦った時にブラジルが簡単に勝ったから(4-1、ラウンド16)です。だから、今回も勝てるだろうという意識があったのだと思います」
――今年5月に就任したアンチェロッティ監督についてですが、ブラジル国民からの信頼は、この敗戦を経ても揺らいでいないのでしょうか?
「彼は就任してからまだ日が浅く、選手を試している段階なので、この敗戦で責める人はほとんどいないでしょう。
ただ、ブラジル人のサポーターの意見は、1試合ごとに変わります。例えば、この日本戦でも前半ブラジルが優勢だった時は、SNSでみんなが『このままならW杯優勝だ』と言っていました。でも、日本が逆転すると『いや、もうW杯は勝てない』と言い出す。1試合勝てば『優勝できる』と思い、負ければ『絶対に無理だ』と思う。それがブラジル人なんです」
取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)
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