中学生から始まる医療革命――「胃がん撲滅」は夢じゃない
この政策の意義は、単に胃がんを予防することだけではない。
日本の医療が「治療中心」から「予防中心」へとパラダイムシフトする、その第一歩になりうるのだ。中学生のピロリ菌検診が成功すれば、他の予防可能な疾患への対策も加速するだろう。
何より重要なのは、今の中学生たちに「胃がんで死ぬ必要なんてない」という未来を約束できることだ。彼らが大人になる頃には、胃がんは「昔の病気」になっているかもしれない。
私は確信している。中学生でのピロリ菌対策を徹底すれば、将来の胃がんは80%削減できる。
問題は、この明確な解決策を前にして、なお動かない日本の意思決定システムだ。データも技術も経験もある。足りないのは、実行する勇気だけだ。
毎年3万8000人が胃がんで亡くなっている。その多くが予防可能だった。この事実を前に、「今までどおり」でいいはずがない。
中学生のピロリ菌検診は、日本が本気で国民の健康を守る国になれるかどうかの試金石だ。既得権益や前例主義を打ち破り、データに基づいた合理的な政策を実行する。それができなければ、この国に未来はない。
ピロリ菌は中学生のうちに叩け。それが、胃がん撲滅への確実な対策なのだ。
文/堀江貴文
『日本医療再生計画 国民医療費50兆円時代への提言22』(幻冬舎新書)
堀江貴文 (著)
2025/9/251,056円(税込)184ページISBN: 978-4344987838誰のための医療か、何のための制度か──
構想10年、ホリエモンが旧態依然とした医療制度にメスを入れる!
健康は自分たちの手で守れ。
「予防」を起点にした、合理と科学で組み直す医療の未来。
2016年に予防医療普及協会を立ち上げた堀江貴文が、専門家や現場の医師と共に構想した22の改革提言。
健診データの一元化、ワクチン政策の再設計、延命医療や保険制度の見直し、教育現場での予防知識の導入──どれも今すぐ始められる現実的な策ばかりだ。
感情や前例主義ではなく、科学とデータに基づいた合理的な選択が求められている。
本書は、次世代に誇れる医療を築くためのアップデートの設計図である。

