「本当は、伝えたかったんだと思う」
彼から連絡が来ないまま、半年が過ぎました。私を紹介してくれた友人から電話があったのは、その頃です。
友人「あの、話していいのか迷ってたんだけど。彼、結婚したよ」
私「そう」
友人「相手は、彼のご両親が昔から決めてた人。家同士の付き合いがあって、断れなかったって」
彼には、私と付き合う前から親が決めていた相手がいたそうです。本人は断ろうとしていたけれど、私と結婚の話が具体的になった頃、実家から強く迫られた。彼は私にそれを伝える言葉を持たず、ブロックという形で全部を終わらせたのだと、友人は言いました。
友人「本当は、伝えたかったんだと思うよ。伝えたら、選ばせることになるから。それが怖かったんじゃないかな」
私は電話を切ってから、引き出しを開けたまま、しまいこんだパンフレットの表紙を指でなぞりました。
そして...
彼を恨む気持ちは、思ったより早く薄れていきました。ただ、ブロックという最後のやりとりだけは、今も引き出しの奥に残っています。「ごめん」の一言があれば違ったのかもしれないと考えて、それでも、その言葉を彼に求めるのはもうやめようと決めました。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
