「暑いね」の一言で始まった日傘の共有
久しぶりに会う友人との待ち合わせでした。駅前の広場で日傘を差して立っていた私は、汗を拭きながら駆け寄ってきた友人を見て手を振りました。友人は日傘を持っていなかったようで、「暑いね」の一言だけで、隣に立ってきました。私は場所を空け、2人で歩き出しました。
いつの間にか傘の中心にいるのは、私ではありませんでした
歩き出してすぐ、友人はカフェの話題で盛り上がりながら、自分の位置を少しずつ調整しているようでした。傘の柄には友人の手が添えられ、進む方向まで友人が決めていきます。気づけば、私の左肩は日差しの下に出ていました。
少し離れようとすると、友人は自分の位置を変えないまま「もっとこっち来ればいいのに」と言いました。私の日傘なのに、なぜ私が炎天下を歩いているのだろう。そう思いながらも、楽しそうに笑う友人の横で、私は口を閉じたまま歩いていました。
